2013年4月30日火曜日

「選択と集中」 重要なことを優先する

先週の全社ミーティングでも話しましたが、昨年度は目標値をほぼ100%達成することができました。(まだ決算ができていませんので”ほぼ”とさせていただきます) 相変わらずの厳しいビジネス環境ではありますが、2年連続増収増益を実現できたことは素晴らしい成果です。売上高を大きく伸ばすことはできなかったものの、採算重視という命題を掲げ、営業/工事の双方が工事内容や原価を確認しながら進めてきたことで、目標どおり採算性を大きく伸ばすことができました。これも、皆さんの努力によって実力が発揮された結果だと思います。本当に有難うございます。

さて、新年度がスタートして1ヶ月が経ちました。今年度のテーマは「選択と集中」です。これは今年度に限らず、今後仕事をしていく上で是非頭に入れておいていただきたい考え方でもあります。考え方はいたってシンプルです。重要なこと、やるべきこと、優先すべきことを選択し、その内容に集中的に取組んで結果につなげるというものです。一見当たり前のことのようですが、現実にはなかなかできていないのではないでしょうか。時間管理のしかたを、「重要」であるかどうかと、「緊急」であるかどうかのふたつの軸でわけると4つの領域ができます。


第1領域:重要かつ緊急
・締め切りのある仕事
・クレーム処理
・突発的問題

第2領域:重要だが緊急ではない
・人間関係構築
・準備や計画
・勉強/自己啓発
・品質改善

第3領域:重要ではないが緊急
・優先度の低い顧客対応
・多くの電話/急な来客
・雑務

第4領域:重要でも緊急でもない
・単なる報告会議
・だらだら電話
・待ち時間
・暇つぶし

皆さんは、どの領域に最も多く時間を割いていますか? もちろん最優先は第1領域だと思います。それでは、次に多く時間を割いているのはどの領域でしょう?第4領域という方は少ない(いない)と思いますので、第2領域か第3領域でしょう。「重要」であることを優先するか「緊急」であることを優先するか、ここが非常に重要なポイントです。第2領域の仕事は「いつかやらなきゃいけないんだけれど・・・ 今すぐでなくてもいいか・・・」と考えられ、結局いつまでも着手されないということが多いのではないでしょうか。つまり、緊急度の高い仕事を優先してしまうがゆえに、今すぐ着手する必要のない重要度の高い仕事が後回しになってしまっているのです。

ここでよく考えていただきたいのは、第1領域の仕事の中身です。もちろん前向きで建設的な仕事も含まれますが、実はクレーム処理やトラブル対応など、できれば時間を割きたくない事後対応のような仕事が多くあります。こうした仕事は、第2領域に注力することで結果的に縮小することができるのです。クレームは、人間関係の悪さ、品質の悪さなどから生じることが大半です。ですから日ごろから人間関係構築や、品質向上に注力していれば、クレームの数を減らすことができます。トラブルは事前の計画や準備を綿密に行うことで減らすことができます。工事でも「段取り八部」という言葉があるように、事前の段取りをどこまで行うかで工事の良し悪しは決まってくるものです。つまり第2領域に注力することで、徐々に第1領域の後ろ向きな仕事が減り、効率的に時間を使うことができるようになるわけです。

「重要」な第2領域に注力できるか、それとも「緊急」な第3領域の仕事に追われてしまうかは、「目的」を明確に持って仕事ができているかどうかに左右されます。目的や目標を明確に持たず、受身で仕事をこなしている人は、緊急度の高い仕事を優先してしまい、結果的に”いつも忙しい”わりには”成果が出ない”ことになります。つまり他の人の優先順位に振り回されて仕事をしているのです。しかし、目的や目標を明確に持っていれば、その目的を果たすために、その目標を達成するために必要な仕事であるかどうかを判断し、時には重要ではない仕事を捨てる(しない)という局面も出てくるため、必然的に第2領域に注力し効率的に時間を活用できるのです。

当社では、社員それぞれに目的意識をもってもらうために、半期ごとに目標設定をしてもらっています。自分は何のために仕事をするのかを、会社目標、部門目標から掘り下げて考え、自分自身で設定するのです。この作業こそが目的を明確にし、重要なことが何であるかを選択するための準備です。日々の仕事で忙しい中で、あえて時間を割いて目標を考えたり、上司と面談したりするのは、まさに第2領域の時間だと考えてください。人は誰でも24時間365日しか時間がありません。この限られた時間をいかに有効に使い、結果に結びつけられるかどうかは、目的意識をはっきりと持ち、重要なことを優先できているか次第だということです。

ちなみに、この考え方は以前にも紹介した、スティーブン・R・コビー著「7つの習慣」にありますので、興味のある方は読んでみてください。

2013年3月29日金曜日

コミュニケーション重視の品川新本社スタート


今週から品川新本社での業務がスタート、40年以上にわたって本社をおいた浜松町を離れ、この品川に関東の事務所を統合し、新しい本社が誕生しました。品川駅港南口から徒歩約10分、旧海岸通と運河に挟まれているため隣接するビルがなく、窓からの景色が開放的な事務所です。オフィスを移転するにあたり、若手社員による引越プロジェクトチームを結成し、新しいオフィスのコンセプトづくりからレイアウト設計、デザイン、実際の引越業務の全体統括まで、およそ8ヶ月をかけて実施してきました。

新しいオフィスで目指すワークスタイルは「Work@Everywhere」
 ・いつでも、どこでも場所に捉われない働き方
 ・コミュニケーションが豊かになる働き方
 ・集中とリラックスの「メリハリ」のある働き方
その中でも、私がプロジェクトチームに最も重きを置いてほしいと伝えたのはコミュニケーションでした。従来の本社ビルは5階建てで、さらにミドルフロア(1.5階、2.5階・・・)もあったため執務スペースが細分化されていました。また、工事部門は川崎ビルに勤務しており、近くにいながら円滑なコミュニケーションがとれる環境にありませんでした。新しいオフィスはワンフロアにこだわり、顔を上げれば、誰がどこにいるかがすぐ分かる、ちょっとしたことでも、すぐにコミュニケーションをとることができる環境づくりを意識してもらいました。

日本人というのは実際に顔を合わせなければ、正確な意思疎通が図れない人種です。そもそも日本語には、ひとつのことを伝えるのに何通りもの表現があり、それぞれに微妙にニュアンスが変わってきます。また、昔から阿吽の呼吸で意思疎通を図ることが多く、あえて口に出さずに雰囲気で伝えたり、それを読み取ったりしてコミュニケーションをとっています。そのためメールや電話だけでは認識がずれていることもあり、後で大きな問題につながることも稀に生じてしまいます。コミュニケーション手段の進化によって、遠隔地にいる人とも瞬時にコミュニケーションをとることができる時代ですが、やはりできれば実際に顔を合わせて確認する方が確かな意思疎通をとることができます。私の前職はIT企業ですが、その時にも「メールするなら電話しろ、電話するなら会いに行け」、大事なことや、言いにくいことほど、会って話をするようにとよく言われました。情報技術を売っている会社でも、ミスコミュニケーションを防ぐためのコミュニケーション手段の使い分けについてはうるさかったことを覚えています。

新オフィスはワンフロアに集約していることに加えて、何気ない会話が多くもてたり、普段あまりコミュニケーションがない人と必然的に話しができるようにと、顔を合わせる機会を創り出せるようになっています。工事職、営業職の社員には固定席がなく、それぞれが自由席スペースの好きな場所に座ることになります。自席がないことは不便ではありますが、その日によって近くで仕事をする人が変わりますから、普段あまり話をしない人と話をする機会ができることにもなります。フロア内には、会議室とは別にこうした会話ができる場所をいくつか設け、わざわざ時間を指定して会議をするというのではなく、(喫煙所のような感覚で!?)ふと気づいた時に会話ができることを大事にしています。コピー機が執務スペースの中央にあるのも、コピーに来た人との会話ができるために考えられた配置でもあります。

その一方で、外の景色を眺めながらリラックスして仕事ができるカウンター席や、高めのパーティションに囲まれて集中して仕事ができる席など、その時のシチュエーションに応じて仕事をする場所を選ぶこともできます。慣れるまで不便なこともたくさんあるかもしれませんが、今までなかった人の導線、それによってもたらされる様々なコミュニケーションを楽しみながら、新しい環境で活き活きと仕事をしていきましょう。

2013年3月5日火曜日

東海営業所 名古屋にオープン

昨日は当社の新しい営業拠点となる東海営業所の開所式でした。従来、静岡の島田工事事務所より西は四国の徳島まで拠点がなく、東海西部から近畿地区をカバーすることが困難でした。また、既存の営業所は製紙工場の近くにあり、製紙業界の設備投資が低迷している昨今では営業展開に苦戦を強いられる部分も少なくありませんでした。そこで、東海近畿の産業設備事業拡大の拠点として、来年度から東海営業所を新設することになりました。

東海営業所は名古屋から中央線で15分ほど行った春日井の近くで、電車、車ともにアクセスがいいところにあります。事務所は長屋のような建物で、中はとってもコンパクト、二階は所長の住居、隣は居酒屋と、所長のセンスと人柄が強く感じられる物件です。さらにこの居酒屋あいちゃん、居酒屋とはいうものの、ママはタイ人で、本格タイ料理を振舞ってもらえます。

開所式では、宮司さんも呼んで祝詞奏上、玉串奉奠などの一通りの神事も行い、事業の発展と安全を祈願しました。新規でお取引を始めた地元の会社に加え、富士、島田からも協力会社の方々にご列席いただき、アットホームながらも地域の団結力が感じられる式になったと思います。当社のこれからの東海地区における新たな展開を期待したいと思います。



2013年2月24日日曜日

お客様の経験価値を上げる

お客様によって、やりやすい現場とやりにくい現場があると思います。短期間にお祭り騒ぎの中で一気に終わらせるような現場もあれば、時に家族よりもお客様と接している時間の方が長くなるような長期の現場もあります。そのような長期の現場では、徐々にお互いの「人となり」が見えてきます。そうなると、仕事ができる/できないということに加えて、その「人となり」に合わせながら付き合っていく必要が出てきます。それは、性格であったり、価値観であったりで、「なんとなく合わない」ということも多くあるでしょう。そう思い始めると、お互いに意識したり、見えない壁などができてしまい、ぎくしゃくすることもあります。また、お客様から理不尽なことを言われ、カチンとくることもあると思います。そのような時には決して「感情」で対応せずに、ぐっとこらえるようにしてください。何故なら、相手はお客様だからです。

私たちは、お客様に提供する価値や満足の対価としてお金を支払っていただいています。ですから、受注したからにはお客様に価値を感じてもらわなければいけません。これは施工品質さえ良ければいいというものではありません。私たちが提供する価値には製品価値と経験価値というふたつの種類があります。工事で創り上げる納品物が製品価値だとすれば、工事期間中にお客様が受けた当社の印象が経験価値となり、この双方が満足できなければ、価値が提供できたとは言えません。製品価値がいくら高くても経験価値が低ければ満足度は下がりますし、逆に経験価値が高ければ多少の品質には目をつぶってもらえることもあります。製品価値だけで勝負しているのは職人と呼ばれる人たちです。職人は自分の創り上げる製品価値が理解できない人は相手にしない傾向にあります。「俺の握った寿司が食えねえなら帰れ」といったかたちです。しかし、私たちは職人ではなくビジネスマンです。ビジネスである限り、製品価値と経験価値を両立しなければ、評価はされないということを理解してください。

お客様は時に理不尽です。確実に相手が間違っているという時もあるでしょう。しかし、その場で感情的な対応はせずにぐっとこらえて、後で会社として対応するようにしましょう。お客様の要求を全て飲めと言っているのではありません。理不尽な要求は飲めませんから、その場は相手の気分を害さないように応対し、後で持ち帰って会社として組織的な対応や申し入れをすれば良いのです。お客様も人間です。こちらがいつも気持ちの良い対応を心掛ければ、やがて理不尽な要求もなくなり、最終的には経験価値をあげることにつながるでしょう。ストレスがたまったら、私も含め上司に愚痴って発散させて、翌日はまた笑顔で現場に戻りましょう。経験価値を上げるということも重要なサービスだということを意識してください。

2013年2月17日日曜日

「安全」と「効率」


先日、当社の協力会の安全祈願として成田山へ行ってきました。成田山は、先日亡くなった歌舞伎役者市川団十郎とも縁が深く、成田屋の屋号を名乗るようになったのも、成田山の御不動さまとのご縁からとのことです。(市川団十郎と成田山のご縁
当日は、御護摩(おごま)祈祷によって一年の無事故無災害を祈願しました。御護摩とは、炉の中に細く切った薪や供え物を入れて燃やし、火の神が煙とともに供え物を天に運び、天の恩恵にあずかろうとするものだそうです。成田山では、さらに祈祷に訪れた人の持ち物(鞄や財布など)を、御護摩の火に当てて、御不動様の御利益をいただくということも行ってくれます。残念ながら当日私は手ぶらでしたが。。。

年明けを中心にこうした安全祈願を毎年行いますが、無事故無災害を達成することはなかなかできません。残念ながら今年もすでに交通事故が発生してしまいました。こうした現場事故や交通事故を、故意に起こす人は誰もいません。しかし、その原因を探っていくと間接的には意図的に事故を起こしていることが分かります。つまり、わざと怪我をしたり、モノを落としたり、壊したりすることはありませんが、効率、スピード、楽(らく)を求めるが故に、本来すべきことを敢えてせずに結果的に事故につながっていることが大半です。車の運転でいえば、教習所で教えられたように交通ルールを100%守っている人はどの程度いるでしょう?40km規制道路で40km以下で走っていますか?一時停止サインで完全に停止していますか?(さすがに飲酒は100%守られているでしょう)交通ルールは認識していますが、早く到着地に着きたいということから敢えてこのルールを破って運転している人が多数だと思います。この意図的なルール違反が現場でも事故につながっているといえます。

仕事ではしばしば効率性が求められることがあります。効率が結果的に利益につながることが多いからです。しかし、効率を求めて事故を起こしてしまっては大きな損失になります。事故そのものの損失だけでなく、信頼を失うことによる損失は測り知れません。「安全は何物にも優先される」という標語をよく見かけますが、これは仕事の効率よりも安全を優先すべきということです。安全を優先しろとい言う一方で、仕事を効率的に行い利益をあげろと言う。矛盾していますが、「安全」と「効率」、この矛盾するふたつをどのように両立するかは、個々の意識の持ち方とバランスとしか言いようがありません。無駄に何重にも安全対策をとる必要はありませんが、リスクを冒してまで効率を求めることは御法度です。

この意識やバランスが保てず事故を止めることができない場合、会社としてはその責任から制裁を加えたり、多くの安全対策投資をせざるを得なくなります。例えば車の運転を一切禁止すれば交通事故はなくなるかもしれません。各現場に安全対策専任者を数名配置して指導すれば現場事故は減少するかもしれません。しかしそれはナンセンスですし、本質から逸れてしまいます。ですから、ひとりひとりの意識とバランスが重要なのです。敢えてルールを逸脱しようとした時に、必ず一度立ち止まりそのリスクを考えてみてください。そのクセをつけることが一番の安全対策だと思います。

2013年1月7日月曜日

Accelerate

みなさん、明けましておめでとうございます。今年の年末年始は、クリスマス寒波、年越寒波と寒い日が続きました。休暇中に現場を担当したみなさんには厳しい毎日だったと思います。本当にお疲れさまでした。

正月といえば毎年恒例の箱根駅伝。今年は日体大が30年ぶりに総合優勝を果たしました。山登りの5区で首位にたったシーンが印象的ですが、その後の復路でも全選手がミスなく走り、首位を守ることができたことが、強さの象徴であったように思います。ある記事によると、日体大の勝因は”窮屈な生活”にあったといいます。日体大は前回大会では、創部以来のワースト成績となる19位、シード権も逃しました。その悔しさをバネに、走るという練習方法だけでなく、寮の掃除など生活面の改善にも取り組み、「窮屈な生活」を乗り越えての今回の優勝でした。10区を走った谷永選手は、「自分たちはぬるま湯につかっていた」と言います。指導者不在の過去のある自由な日体大カラーをはき違えていた昨年までを見直し、生活改善から始めた一年。最も窮屈に感じたのは4年生であり、同時にその窮屈さこそ勝利へとつながる我慢であると理解したのも4年生だったそうです。どん底を経験したからこそできた改革、これが今回優勝の勝因となったわけです。

当社も継続的進化をとげるべく、昨年より様々な改革に取り組んでいます。特にS.W.A.Tと称する業務改革などは、長年継続してきた仕事の仕方が変わることもあり、窮屈に感じている人も少なくないでしょう。しかし、こうした窮屈さは当社の進化には必要不可欠なことであり、さらにスピード感をもって進めていく必要があると思っています。その意味も込めて、年頭のメッセージのタイトルは"Accelerate"(加速する、速力を速める)としました。

私が社長に就任した10月1日のプレゼンテーションで、今年度からの3年間で、「正常な売上の会社になる(66期)」「利益を還元できる会社になる(67期)」「自分に投資できる会社になる(68期)」という中期目標を掲げました。これは私のコミットメント(果たすべき約束)であり、強い覚悟を持ってのぞむつもりです。そこで、今年は従来より進めている改革のスピードを上げ、成果につなげたいと思います。その中には、業務改革や営業改革といった事業の中核となる内容に加え、日体大のような生活改善も重視したいと思っています。日々の挨拶、現場やデスクの整理整頓といったことにもこだわり、会社、組織の基礎作りにも注力したいと思います。

今年は4月より新オフィスがオープンします。心身ともにリフレッシュし、スピード感をもった改革を進めていくには最適な環境ができあがります。多少、「窮屈」な部分もあるかと思いますが、来年、再来年の勝利を目指して一緒に頑張っていきましょう。

今年もよろしくお願いします。

2012年12月4日火曜日

悩みは皆同じ

先日、当社の業務改革S.W.A.Tプロジェクトを支援いただいている日揮情報システムのセミナーで、講演をする機会がありました。まだ社内での利用開始前ではありますが、現在導入中の原価管理システムのユーザー事例として講演してほしいという依頼があり、当社の宣伝にもなるため承諾することにしました。私の前後のプログラムは、清水建設、西松建設と錚々たる方々の講演で、かなりプレッシャーでしたが、当社の現状の課題点と改革への思いをありのままに伝え、プロジェクトの進め方、スケジュール、システム構成、プロジェクトのポイントなどを付け加えた内容で30分程度のプレゼンテーションとしました。

課題点と改革への思いについては以前から話している通りですが、本プロジェクトの肝となるポイントについて、講演の内容を共有したいと思います。

1. あくまで業務プロセス改革中心
このプロジェクトは情報システムを入れ替えることが目的ではなく、業務プロセスを改革して、利益につなげることが目的です。情報システムはそのためのひとつの手段でありツールにすぎません。そこで、まずはシステムから離れて、現状のプロセスを理解し、そこに潜む課題の抽出と解決策の検討に最も多くの時間をさきました。

2. 最小の投資で最大の効果
繰り返しになりますが、このプロジェクトは低下した利益を向上させることが目的ですから、多大なコストと時間をかけるわけにはいきません。そこで、通常はコンサル側で行うような書類作成もプロジェクトメンバーで行い、その分の費用を下げました。次に、システムのカスタマイズは最小限とし、できる限りパッケージの機能に自社の業務を合わせるようにしました。その結果、開発費は最小限に抑え、導入スケジュールも短期で終わらせることができました。

3. ベンダー選定に時間をかけない
今回は日揮情報システムをコンサルタント、またシステムベンダーに選びましたが、ベンダー選定にはほとんど時間をかけませんでした。それは、ベンダー選定に無駄に時間をかけるより、すぐにプロジェクトをスタートさせ、効果を出したかったからです。日揮情報システムが建設業界に精通していること、またこのシステムが多くの大手建設会社で実績があることはわかっていましたので、彼らを信頼して任せることにしました。会社が本気で改革に取り組む意思があり、ベンダーとの信頼関係さえあれば、誰と組んでも大差はないのです。

4. その他
その他、このプロジェクトで意識したことは、プロジェクトリーダーの選定です。このプロジェクトは、結果的には現場に多少負荷をかけることになります。ですから、現場のことをよく理解している人でなければ、プロジェクトを推進することはできないと思いました。そこで、現場一筋30年のトップクラスの人にプロジェクトリーダーになってもらいました。現場の人達が一目置く人が、プロジェクトの目的をしっかりと理解した上で進めなければ、業務改革は成功しません。

これらのポイントは、業務改革を行う上で、どの会社でも考慮すべき内容だと思います。セミナー後に参加者との懇親会がありましたが、会社の規模は違えど、抱えている悩みや課題はどこも同じであると感じました。会社(現場)の状況を見える化し、意思決定を迅速にして、利益確保とリスク回避を行いたい。これは各社共通の課題です。それをどのように解決していくか、多少の手段は異なっても、目指す方向は皆同じ。当社でもプロジェクトが進み、全社での利用が進めば、面倒なことも不満もでてくるかもしれません。ただ、この改革は厳しい環境を乗り越えるために、会社の規模にかかわらず誰もがチャレンジしていることであり、このチャレンジに成功した者のみが生き残り、成長できるということを理解して、改革に臨んでください。