2014年7月17日木曜日

ダイヤの原石を求めて

採用は現在の当社の重要経営課題のひとつです。これから売上高を伸ばして会社が成長していくためには体制の強化が必要です。こらから3年かけて、新卒/中途合わせて約40名を目標に採用を行っていきます。先日社員紹介制度についてアナウンスしました。また新卒採用にあたり、学校訪問や学生との座談会などの参加をお願いしている人もいると思います。新たな仲間を当社に迎え入れるために、是非皆さんの協力をお願いします。

現在は来年4月入社の新卒採用が大詰めとなっています。今年は大企業が積極的に採用に乗り出していて、高専に関してはひとりの学生に20件を超える求人があるというから驚きです。当社はかなり苦戦しましたが、本日時点でなんとか10名に内定を出すことができました。しかし、先日の日経新聞にもありましたが、学生の多くは複数の内定をもっているため、内定辞退率は平均40%にもなるとのこと。当社の内定者はなんもしても手放したくないですから、今後も定期的にコミュニケーションの機会をもって、彼らに当社の魅力を感じてもらいたいと思います。

さて、採用をしていて感じたことがふたつあります。今回はそのうちのひとつをお伝えしたいと思います。来年から企業が採用活動を開始できるのは8月1日以降となりだいぶ遅くなります。これは、学生にとっては短期間のうちに集中的に活動をして就職先を決めなければいけないということになります。企業も短期間で大量の学生の中から、優秀な人材を選別しようとしますから、学歴重視が進むのではという声があります。面接をせずにプロフィールだけでスクリーニングしようとした時に、もっとも効率的かつ確度が高い選考要素が学歴であるということなのでしょう。

それでは何故学歴が高いほうが、良い人材となるのでしょう?それは、偏差値の高い学校を出たということから地頭の良さを評価しているということもありますが、もうひとつ、ある特定の期間に受験勉強というものに打ち込んで、その結果偏差値の高い学校への入学という結果を得たという一連のプロセスを評価しているのだと思います。学生時代に何かに真剣に打ち込み、そこで経験したことは今後の人生において自分の強みや自信につながったり、判断の拠り所になったりするものです。企業が学生を採用する時に、この自分自身を形成する核となるものを持っているかどうか、これを見ることが重要だと思います。これを手っ取り早く判断する指標が学歴ということになります。

打ち込むことは勉強である必要はないと思っています。スポーツでも、アルバイトでも、遊びでも、趣味でもなんでもいいのです。自信をもってこの事に時間を費やし、その過程で泣き、笑い、怒り、感動した、そういう経験をしているかどうかです。高校時代にスポーツに打ち込みすぎて勉強をする暇がなく偏差値の高い学校に入れなかった。バックパッカーで世界中を旅してばかりいたら単位がとれずに留年してしまった。いいじゃないですか、最高ですよ!こんなことが履歴書に書いてあれば、面接が楽しみで仕方ありません。私の面接はとにかく徹底的にそれを聞き出します。自己PR?志望動機?そんな作られたストーリーには興味ありません。自分が真剣に打ち込んだことであれば、事前に考えてこなくてもいくらでも語れるはずです。聞かれていないことでも話したくなるでしょう。その経験談を聞けば、その人の長所短所、性格などが自然に見えてくるものです。

この一月は多くの学生と面接をしました。そして多くの経験談を聞きました。初めは緊張して、覚えてきたPRをたどたどしく吐き出していた人が、段々リラックスして目を輝かせながら自分の経験を語りだすのを見ていると、こちらもとても楽しくなり、あっという間に1時間くらい過ぎてしまいます。当社は無名な中小企業ですから、来年も学歴でスクリーニングをかける必要はありません。面接でダイヤの原石を発掘して、当社でキラキラ光る宝石にしたい、そんな気持ちでこれからも学生と会っていきたいと思います。