2017年6月25日日曜日

あさひ愛 永遠に

これがあさひ愛最後のメッセージです。これまで全部で125回のメッセージを発信し、本日時点で5万ページビュー(閲覧された回数)を数えるに至りました。

はじめは私が日々感じたこと、経験したことなどを文章にして、社員の皆さんに伝えることで、私がどんな人物で、何を考え、何をしているのかを知ってもらおうと気軽な気持ちでスタートしました。社内向けのメッセージですが、せっかくなのでインターネット上で誰でも参照できる設定にしたところ、徐々にお客様や金融機関、また採用の面接に来た人など社外の方から、いつも読んでますよなどと声をかえられるようになりました。当社や私のことを気にしてもらってるんだと嬉しい反面、これはうかつなことは書けないし、きちんとした文章でなければ恥ずかしいなと感じるようになり、ブログとは言えないような更新頻度となってしまいました。

しかし、じっくり考えながら文章にしていくことで、頭の中が整理できましたし、何より文章力の訓練にもなりました。いま読み返してみると、その時、その時の起きたこと、感じたこと、メッセージにしようと思った背景などが鮮明に蘇ってきます。まさに、私の旭での歴史そのものでもあるわけです。



あさひ愛の原点

さて、最後に何を伝えようかと色々と考えましたが、やはり原点に戻って、「あさひ愛」について話をしたいと思います。

このブログのタイトルでもある「あさひ愛」ですが、これはブログを書き始めた当初、当社が、社員はもちろんのこと、その家族や、お客様、協力会社など、当社を取り巻くあらゆる人から愛されるような魅力的な会社にしたい。また、65年(ブログを書き始めたのは65年目の時でした)の歴史と伝統ある当社で仕事をしていることに、自信と誇りを持って欲しい。そんな思いをこめて作った言葉でした。そして、私がこの会社で見聞きし、感じたことをブログを通じて皆さんと共有することで、ひとりでも多くの人にあさひ愛を感じ、共感して欲しいと思いながら書き続けてきました。(あさひ愛 第1回記事

この時、「あさひ愛」はこういう会社にしたいという私の中でのビジョンのような位置づけでしたが、当社での年月が経ち、特に事業再生を経験することで、今さら私が言うまでもなく、この会社はすでにあさひ愛に溢れていると感じるようになりました。


あさひは愛に満ち溢れている

当社が経営危機にあると認識した後、私はこの事実を社内外に比較的早い段階から説明するという判断をしました。この手のことは、関係者の動揺を防ぐために最後まで水面下で実行することが多いかと思います。しかし、私はその事実を知った時の動揺よりも、その事実を聞かされなかったことへの不信感の方がインパクトが大きい。また、会社を復活させるには社員に危機意識を持って本気になってもらわなければならない。という考えから、公表に踏み切りました。

不安もありましたが、関係者の皆さんのあさひ愛を信じて1社1社、ひとりひとりに説明をしていきました。すると、お客様は予算が少ない中で少しでも仕事を増やそうとしてくれましたし、資金繰りを助けるために支払い条件の改善にも応じてくれました。また、協力会社は逃げ出すどころが「あさひなら絶対に乗り越えられる。ダメなら心中だ」と最後まで当社を信じてついてきてくれました。そして、何より社員の皆さんが、死に物狂いで受注を増やし、利益率を上げ、入金・回収を早めて危機を乗り越えてくれました。

一区切りついたときには、みんなのことを信じてよかったと心から思いましたし、同時にこんなに多くの人たちに愛されている素晴らしい会社はないなと実感しました。やはり長く続く会社というのは、その会社のことを思い、思われ、愛に満ち溢れた会社なんだと思います。


あさひ愛を誇りに

あさひは、有名な大企業なわけではなく、高学歴ばかりが集まるエリート集団なわけでもない。
走り回るのは得意だけれど、儲けるのは下手。
口下手のくせに、しゃべりたがり。
酒好きばかりで、飲むとだらしない、絡む、ぶっ叩く。

でも、いいモノを作ることに情熱をかけていて、真面目で愚直。
お客様から頼まれれば夜中でもすぐにとんでいくし、どんなに困難な状況でも逃げずに最後まで仕事を終わらせる。
年配の職人さんが重たい材料を運んでいれば歩み寄って手伝ってあげるし、自社の利益よりも先に協力会社のことを心配する。
若手の悩みには朝まで耳を傾け、トラブル現場には頼まなくても人が集まる。
意見があれば上司だろうが役員だろうが社長だろうが納得するまでモノ申す。
でも、一度理解するとその方向にまっしぐら。

こういうひとつひとつがあさひ愛の源泉なんでしょうね。あさひ愛こそが当社の最大の魅力であり、強みであり、文化です。このことは、私たち自身が強く認識し、誇りに思うべきなんです。そして、永遠に後世にこの愛を受け継いでいってください。


あさひ愛は永遠です。
これまで9年間、経営も工事も素人同然の私についてきてくれて本当に有難うございました。


吉田周平




Dear ASINDO team members,

This is the last message for you as a president of Asahi Synchrotech.

Today I would like to tell you about Asahi-Ai, kind of love, soul or sympathy toward Asahi. I made this phrase with my thoughts to make this company filled with a lot of love from employees as well as family members, customers and suppliers, all around Asahi. This was supposed to be my vision at that time. But throughout my Asahi life especially my experience of business restructuring I fully realized that Asahi has been already surrounded by much of love.

When we were facing management crisis, customers tried to make orders as much as they could and speed up the payment for helping our cash flows. Suppliers never leave us and some of them said " We believe Asahi never die. If Asahi die we could die together." And YOU work hard to increase sales amount and profit rate, and tried for cash correction. I believed Asahi-Ai became the driving force for our revival.

I know that each of you, ASINDO members have same love, soul and sympathy which is called Asahi-Ai. No matter which county you live, what nationality you have and what language you speak. You are belong to One Asahi around the world and our Asahi-Ai is the most attractive feature, the strongest advantage and the great culture of Asahi Synchrotech. You should recognize and be proud of this. Then please tell this message to the future generations.

I was really excited to work with you in this emerging market Indonesia. You have many opportunities and bright future.

Thank you for working with me for 9 years and I am really proud of you.

With a lot of Asahi-Ai forever,
Shuhei

2017年4月6日木曜日

難題には組織で立ち向かおう

コントロール範囲を超えたら事故と同じ

ビジネスの現場では想定通りにならないことがたくさんあります。お客様の無理な要求、職人さんの技量不足、支給された図面の不具合や遅延、他工程遅れによる影響、、、
現場担当者にはこうした難題をなんとか解決しながらプロジェクトを前に進めていくことが求められますが、自分でコントロールできる範囲を超えた時には、即座に上司に報告してチームで解決していくことも必要です。

現場で事故が起きた時には、すぐに上司と安全に報告します。これは社内ルールであると同時に、現場担当者の責任範囲を超えているからといえます。事故の原因を特定し、再発防止策を検討し、報告書類を作成し、場合によってはお客様の上層部へお詫びにいくことも必要になります。これらは、現場担当者単独ではなく、上司や安全部門とともに会社として対応する必要があるわけです。

これと同様に、お客様に依頼したことをなかなか実行してもらえない、お客様からコストや工期に影響がでるようなことを要求されているなど、自分のコントロール範囲を超えた状況になった場合には、やはりチームとして会社として対応する必要があります。これは一種の事故的状況であり、現場担当者だけの範囲で進めるべきではないのです。


ルールを守れば上申するのに遠慮はいらない

担当者同士の話し合いで解決しない場合には、お互いの上司に上申して、ひとつ上のレベルで話をしてもらいましょう。上司に話をあげて、先方の上司と話をしてもらうとなると、いいつけたように感じるかもしれません。しかし、ルールさえ守ればこれは当たり前のやり方です。
そのルールとは、「本件は自分の責任範囲を超えており、自分では判断できないため、上司にあげます」と相手に宣言する。これさえ守れば遠慮する必要は全くありません。

ひとつ上のレベルでも解決できなければ、その上、その上、と上げていき、最後は社長同士で決着をつければよいのです。これが組織です。個人で仕事をしていれば、全ての自分ひとりで解決しなければいけません。しかし、皆さんは旭シンクロテックという会社と組織に所属していますから、この組織を活用してチームで解決させることができます。


ひとりじゃない、組織で解決しよう

上司に報告して会社としての対応を依頼するというのは、決して力がないとか、弱音を吐いたとか、責任を果たさなかったということではありません。むしろ責任範囲を超えていながら抱え込んでいた方が、現場担当者の責任を果たしていないことになります。
当社には責任感が強い社員が多いので、トラブルが生じてもなんとか自分自身でなんとか解決しようと考えがちです。まずは自分自身で解決に向けて精一杯の努力をすることはとても大切なことです。しかし、自分の責任範囲を見極めて、タイミングを逃すことなく上司を巻き込むこともとても重要なビジネススキルのひとつです。

皆さんはひとりではありません。上司と一緒に、私と一緒に、組織として、また会社として難題に立ち向かっていきましょう。






2017年4月4日火曜日

今日から当社の一員となる皆さんへ ー新入社員へのメッセージ

昨日5名の新入社員が新たに当社の一員として加わってくれました。
入社式で彼らに伝えたメッセージを皆さんと共有したいと思います。

新入社員の皆さん、ようこそ旭シンクロテックへ。
星の数ほどある会社の中で、社会に出て初めて勤める会社として当社を選んでくれて有難う。この出会い、縁にも感謝したいと思います。

皆さんはいま、初めて社会に出る、会社に入る、仕事をするという期待と不安でいっぱいかと思います。また、今はまだ何もできないけれど、これから知識や経験を積んでしっかり仕事をしてやるぞという謙虚な気持ちと挑戦する気持ちを持っていることでしょう。
この気持ちをいつまでも絶対に忘れないでいてください。会社に慣れ、仕事に慣れ、少しずつ自信が出てくると、謙虚さや挑戦の気持が薄れ、驕りや慢心、安住が上回ることもあります。自信をもつことはとても大切ですが、慢心とは違います。
「初心に戻って」という言葉がありますが、自信がついてきた時こそ、いまこの時の気持ちにもう一度戻って、チャレンジを続けていくことが成長をするうえでとても大切なことになります。

今日は皆さんに、当社で仕事をするうえで常に大切にしてほしいことを3つお話します。このことは折に触れて私が社員の皆さんに伝えていることでもありますから、今後も何度も耳にすることだと思います。

ひとつは、技術力より人としての信頼が先であるということです。
当社の売り物は人であり技術力です。高い技術力は会社の優位性ですから技術力を常に高めていく努力は必要です。しかし、それ以前に人として信頼してもらうということが大前提です。当社が会社を設立して間もない頃、何も経験がない当社にお客様が仕事を発注してくれたのは、人としての信頼があったからです。信頼してもらえていれば、たとえ技術力が不十分でもチャレンジをする場をもらえます。人も会社もチャレンジを続けてはじめて成長できるもの。技術力の向上もチャレンジの繰り返しによって身につくものです。ですから、技術力よりも信頼を得ることが先。このことをよく覚えておいてください。

次に、ビジネスはwin-win-winでなければいつか破綻するということです。
お客様のwin、お客様が当社に仕事を依頼することによって成功してもらわなければはじまりません。次に協力会社やビジネスパートナーのwin。私たちは施工管理会社ですから、職人さんをはじめとする協力会社の協力なしには仕事になりません。ですから、お客様の成功とともに協力会社の成功を実現しなければ、ビジネスを継続していくことはできないのです。最後に当社のwin。当然ながら当社自体が継続的に利益をあげて事業継続をしていく必要があります。これらは、お金や利益という観点から見ると、相反する側面があり実現するのは容易なことではありません。しかし、できるだけ支払いを安くして当社だけが儲かればいいとか、逆にお客様が喜んでくれれば儲けはいらないとか、それではwin-win-winにはなりません。常に誰かがloseになっていないかということを意識するようにしてください。

最後に、私たちはソリューションカンパニーであるということです。
当社を工事会社と捉えると、工事をする、設備を作ることが仕事であるように思えます。しかし、工事はあくまでお客様に付加価値やソリューションを提供するためのひとつの手段にすぎません。私たちの提供する工事や技術サービスによって、お客様がどのような付加価値を享受することができるのか、ということを考えながら仕事に取り組んでください。
そのためには、お客様が何に困っているのか、何を望んでいるのかということを適確に捉えなければなりません。お客様のニーズは時と場合によって様々です。こちらが勝手に判断するのではなく、お客様の困りごとや望んでいることに対するソリューションを提供することが当社のミッションなのです。


会社は皆さんの成長とともに成長していきます。皆さんのひとりひとりが人間として、また当社の社員として成長することが会社の成長と発展につながります。私たちもそのための環境づくりに努めていきますので、ともに成長していきましょう。

これから永い付き合いになります。当社の仲間を家族のように思って、時に優しく、時に厳しく、ともに喜び、ともに悔しがりながら楽しく仕事をしていきましょう!

2017年3月24日金曜日

Win-win-winでなければいずれ破綻する

ヤマト運輸とAmazonの問題に見る重要なテーマとは

先月あたりからヤマト運輸をめぐる動きが頻繁にメディアに取り上げられています。これらの動きを一言で要約すると、アマゾンをはじめとするネット通販の急増によって、配送現場が疲弊し限界に達しているため、値上げに踏み切ることにしたというものです。
私はここには数多くの考えるべきテーマが存在していると思っていますが、その中でも大きなテーマはふたつ。ひとつは、「win-win-winでなければいつか破綻する」ということ。もうひとつは、「現場の創造性を確保するためには余裕が必要だ」ということです。
今回は前者について話をしたいと思います。

実は私もかなりのAmazonユーザーでして、毎月4~5回はAmazonを通じて買い物をしています。Amazonは年会費3900円を支払うとプライム会員となり、基本的には翌日配達、送料無料となっています。(地域や商品によって差があります) 
また、プライム会員になると、音楽や映画もネットを通じて聴き放題、見放題。Apple Musicが980円/月ですから、音楽配信だけでもAmazonの方が断然格安です。

店舗での買い物とネット通販を比較した際のネット通販の課題は、実際に商品を手にとって確認することができない、配送に時間がかかりすぐに手元に届かない、配送料がかかるということかと思いますが、すでに買うものが明確になっているのであれば、翌日配達、送料無料のAmazonであれば課題は全てクリアされます。
私はAmazonの回し者ではありませんが、こうしたメリットを高く評価してAmazonでの買い物を続けてきました。しかし、ヤマトをめぐる報道に触れると、送料無料をいつまでも続けることには無理があると感じます。


商流上の力関係など成り立たない

一消費者の立場からすると、欲しいものが翌日配達、送料無料で届くと言われれば、こんなに素晴らしいサービスはありません。しかし、送料無料とはいっても、配送自体にはコストがかかっているわけですから、誰かがその費用を負担しなければならない。
今回明らかになったのは(だいたい想像がついていましたが)、Amazonとヤマトの力関係から、かなりの割合でヤマト側が負担していたということです。送料無料とすることで、Amazonの売上やネット通販市場が飛躍的に伸びました。そうなると消費者とAmazonはwin-winですが、配送サービスを破格の値段で請け負わされているヤマトだけがlose。win-win-winの関係になっていないため、歪みが生じて今回のような問題になってしまったわけです。

今の世の中、1社単独でサービス提供できる時代ではありません。様々なビジネスパートナーと一緒にサービス提供することが当たり前になってきていますから、自社とお客様がwin-winであれば良いと考えていては長続きしません。サービスをともにつくりあげているビジネスパートナーにとってもwinとなるようなwin-win-winのモデルでなければ、いずれ破綻してしまいます。

今回のヤマトの問題においては、送料無料というお客様メリットと、ネット通販売上を上げたいというAmazonの成功シナリオだけを考え、配送を担う重要なビジネスパートナーであるヤマトをなえがしろにした結果、モデルが崩れてしまっているわけです。佐川急便はすでにAmazonのビジネスから撤退しているようですので、ここでヤマトに撤退されたらAmazonの配送を担ってくれるパートナーがいなくなり、Amazon自体も破綻しかねません。Amazonや消費者である私たち自身もある程度の配送料を負担することでバランスをとっていくことが必要になるのでしょう。

商流上の力関係、つまり発注する側とされる側では、する側の方が力が強く儲けることができる、などという関係はもはや成り立たないのです。


Win-win-winは最大かつ永遠に追求すべきテーマ

当社においても協力会社との協業なくしてビジネスは成り立ちません。お客様に価値を提供することはもちろんのこと、協力会社のビジネスの成功、当社業績の維持拡大も同時に実現させていく必要があります。

お客様からの厳しい要求、同業者との競争激化の中で、win-win-winのモデルを成り立たせることは非常に難しいのは事実です。しかし、お客様にとってのwin、協力会社にとってのwin、そして当社にとってのwinが何であるかをよく見極め、うまくバランスを維持していくことが求められています。

win-win-winの実現は事業継続していくための最大かつ永遠に追求すべきテーマです。このこと常に意識しながらビジネスの組み立てをしていきたいと思います。




2017年3月14日火曜日

経営理念策定プロジェクトキックオフ

昨日、経営理念策定プロジェクトのキックオフを行いました。
このプロジェクトは、当社が事業継続70年を迎えるにあたり、今後100年続く会社であるために目指すべきビジョン、大切にすべき価値観や行動指針などを明らかにするためのプロジェクトです。
社内でプロジェクトメンバーを募集したところ、22名の社員が手を上げ集まってくれました。本当にありがとう!

会社は価値がなければ存在し続けることはできません。その意味で、70年という期間継続できたということは、お客様、協力会社(ビジネスパートナー)、社員、株主、金融機関といった様々なステークホルダー(利害関係者)や社会に対して、なんらかの価値を提供し続けることができたということだと思います。

そこでこのプロジェクトは
  1. それぞれのステークホルダーから見たこれまでの当社の価値を再確認
することからスタートし、
  1. それらの価値がどのような考えや行動から生み出されたのかを探る
  2. 今後100年続く会社として新たに大切にすべき考えやや行動があるかどうか検討する
  3. 2と3を後世に語り継ぐ”経営理念”として言語化、明文化する
  4. 経営理念を社内外に浸透させる施策を検討する
  5. 実行
といった流れで進めていきます。

昨日はまず、社員として、またお客様や協力会社の立場からみた当社の価値についてメンバーで議論することから始めました。

社員の立場
・なんだかんだ働きやすい
・若い時から大きな仕事をまかされやりがいを感じる
・年齢や役職に関係なくざっくばらんに意見を言い合える

お客様の立場
・安心して仕事を任せられる
・どんなことがあっても最後まで仕事を終わらせる
・依頼したことプラスαの提案をしてくれる

協力会社の立場
・最後まで面倒を見てくれる
・現場でのサポートがあつく仕事がしやすい
・監督と職人のチームワークや信頼関係があつい

といった意見が中心だったでしょうか。

次に、事前に数社のお客様と協力会社に対して実施したアンケートから、当社に対して抱いている思いや評価を共有し、上記の仮説との比較をしてみました。
概ね仮説と大きなズレはないものの、中には意外なコメントもあり、生の声の説得力の大きさを感じます。

そこで次回までに、より多くのお客様/協力会社の生の声を集めて、当社の価値についての議論を深めるとともに、ステップ2以降に進めていきます。
次回はオフサイトで1泊2日の合宿です。普段の業務から離れて、じっくりと考え、語り合うことで、メンバーのチームワークの向上にもつながることを期待しています。

経営理念を策定し、社内外に浸透させていくことは、社員の結束を固め、お客様や協力会社との信頼関係を強めるとともに、素晴らしい社風や文化を継承していくうえでも大変重要な取り組みです。
楽しみつつも、納得のいくまで議論をし、最高の理念に仕上げていきましょう。

2017年2月21日火曜日

理解してから理解される

うまく話ができないという悩みは聞いたことがありますが、うまく話を聴くことができないということは聞いたことがありません。
しかし、聴くことは話すことよりもずっと大切ですし、話し上手よりも聴き上手の方がコミュニケーションスキルが高いといえます。


会話はキャッチボール

言葉の多い少ないは別として、人は基本的には話好きです。自分の話を聞いてもらい、同調してもらったり、共感してもらうことで気持ちが満たされます。
逆に自分の話を理解してくれなかったり、理解しようとしていない態度を見せられると不愉快になりますし、さらに相手が自分の話そっちのけで違う話を被せてこようものなら腹立たしさすら覚えるでしょう。

キャッチボールでは、相手がしっかりとキャッチしてくれた瞬間が気持ちがいいのであって、投げること自体が気持ちがいいわけではありません。さらに、多少ボールが逸れたとしても、相手が走ってキャッチしてくれれば、嬉しさは倍増しますし相手に対する感謝の気持もうまれます。
しかし、ボールを投げても一歩も動かず取る気を見せなかったり、投げたボールとは違うボールを自分のいるところとは離れたところに投げ返されれば不愉快になりますよね。

会話はキャッチボールと同じ。大切なことは、まず相手の話をしっかりと受け止め、それに対して適切に投げ返してあげることです。


理解してから理解してされるが鉄則

お客様に何かを紹介したりアピールしたりする時も、一方的にこちらの持っている商品やサービスを片っ端から紹介するのはNGです。相手が何を欲しているのか、何を聴きたいと思っているのかを十分理解した上で話をしなければ、一方的にボールを投げているだけでキャッチボールになりません。「できる営業=よく話す」 ではなく、「できる営業=よく聴く」なのです。

「理解してから理解される」これが鉄則です。相手に理解してほしければ、まず相手を理解することです。これがまさに”ソリューション”営業です。
今の時代はニーズが多様化しています。お客様が何を欲しがっているのか、何に困っているのかをしっかりと理解してから、適切な提案をする必要があります。だからソリューション営業が求められているのです。


基本は理解しようとしているというメッセージを出すこと

以前コミュニケーショントレーニングを受けたことがあります。その中で、二人組になって3分間何でもいいので相手に話をするというロールプレイをしました。ただし、相手は一切相槌をうたず、ろくに目も合わさずに話を聞く(聞かない?)というものでした。これがキツイ。話を聞いて
もらえていないのに、話し続けるとはこんなにも辛く苦しいものかと痛感します。

会話の時に、相手の目を見る、相槌を打つ、たまに確認の質問をする、これらは話を聴いて理解しようとしているよというメッセージになります。
コミュニケーションの基本とも言えますが、実は意外とできていなかったりするもの。聴くということの大切さを改めて意識しなければいけないと感じます。

2017年2月2日木曜日

お客様がぐんぐん昇進する会社 -旭シンクロテック

親がスイミングスクールに望むのは水泳の上達ではない

ある方のブログにこんな記事がありました。(要約)

夏休み中のスイミングスクールのチラシの話です。「夏休み子供短期水泳スクール」夏休み中にこのスクールに通うと、2学期が始まるときには上手に泳げるようになっているという集中レッスンがあります。
このレッスンのチラシを作ろうとした時、ほとんどの場合「夏休みにうちのスクールに来ると水泳がうまくなりますよ」ということを発信します。しかし、このチラシのターゲットであるお母さんたちは、子供が水泳がうまくなっても別に嬉しくない。

「水泳がうまくなるとどんないいことがあるのか?」これをうまくターゲットに伝えられなければチラシの効果はありません。お母さんたちに意見を聞くと、子供が水泳がうまくなったことで自信がついたということがわかりました。
小学生のころは、何か運動系の特技があると、いじめられたりしません。足が速いとか、高い跳び箱が跳べるとか、水泳がうまいとか、そういうい人よりとびぬけた特技があると自信がついて、その相乗効果で勉強をがんばったりもします。これが水泳がうまくなることによるメリットです。

そしてできあがったチラシのキャッチコピーは
「やったぁ~!! ボクらは自信マンマン組だ!! 学校の水泳授業が楽しくなる!!」

それまでチラシを打っても、定員の半分くらいしかうまらなかったスクールが、この広告を打った瞬間にあっという間に満員になったそうです。

ターゲットに対して、きっちりと価値を発信することができたからです。


「掃除機」に魅力はないが、ダイソン/ルンバは大人気

提供している製品やサービスをそのまま売り出しても魅力が伝わりません。
最近、「モノからコトへ」という言葉をよく聞きます。モノがありふれた世の中で、消費者が求めているのは「モノ」ではなく「コト」へ移ってきている。つまり、製品やサービスのその先にどのような経験が待っているのか、どのような価値を得られるのか、そこに期待するようになってきているのです。

例えば掃除機。掃除機はゴミをすいとって掃除をするための電化製品です。しかし、「ゴミをすいとります」とうたっても誰も魅力に感じないでしょう。ゴミをすいとるための掃除機はすでに家に存在しているからです。

そこで登場したのが、ダイソンやルンバといった掃除機です。
これらのキャッチフレーズは

ダイソン:「吸引力が変わらないただひとつの掃除機」
ルンバ:「お掃除するのはルンバの仕事、○○するのは貴方の仕事」

この一言で、その掃除機がもたらす価値を十分に伝えられています。
これが、掃除機というモノではなく、その先の価値であるコトを売るということですし、価値が伝わるからこそ、普通の掃除機より高くても人気商品となるわけです。


配管工事のその先にあるもの

それでは当社のサービスはどうでしょう?当社は配管工事というサービスを提供しています。しかし、「配管工事会社です。ビルや工場の配管をつなぎます。」とうたっても当社の魅力は全く伝わりません。配管工事を提供する会社は山ほどありますし、「配管工事」という言葉から強烈なインパクトや価値を見出すこともできません。

そこで必要なのは、当社の配管工事というサービスを利用すると、お客様にどのような経験や価値を提供することができるのか?ということをアピールすることです。

極端な例ですが、こんなキャッチフレーズはどうでしょう?

・お客様の予算内もしくはVE提案によって予算以下で求めている設備を仕上げることができれば、お客様の担当者が社内で評価されることになります。
そこで、「お客様がぐんぐん昇進する会社、旭シンクロテック」

・お客様に余計な手間や作業をさせることなく工事を進めることができれば、お客様の仕事を減らすことができます。
そこで、「設備工事は旭の仕事、家族サービスが貴方の仕事」(ルンバのパクリ)

・お客様が作りたい設備があるが技術力が不足していて十分な計画や設計ができない場合、当社はお客様に成り代わって上流の設計段階からお手伝いすることができます。
そこで、「お客様の懐刀として使ってください。キレがいいです。」

・お客様が課題を解決するために依頼してきた工事があるが、それでは問題の本質が解決しないことがわかっていれば、元の設計から再検討するアイディアを提供することができます。
そこで、「お客様よりお客様を分かっている会社」


半ば遊び感覚で考えたので現実的ではないかもしれませんが、このような考え方でアピールしていかなければ、ありふれたサービスとありふれた会社として埋もれてしまいます。
大切なことは、お客様が求めているのは「配管工事」ではなく、その先の価値であり、ソリューションであるとういことです。
以前から、「設備のソリューションカンパニー」になると話していますが、まさにお客様にどのようなソリューションが提供できるのかが勝負の分かれ目です。

皆さんも考えてみてください、当社がお客様に提供できる本当の価値を。