日亜化学の副社長にご挨拶に伺いました。日亜化学は、ご存じの通りLEDの世界トップシェアの会社ですが、昨今の国内電機業界の不振、一向に戻る気配のない円高、韓国企業の日本進出といった厳しい外部環境の中で日々闘っておられます。中でもサムスン電子をはじめとする韓国企業には頭を悩まされているものの、韓国が日本より優れている点が3つあると仰っていました。それは、①スピード ②ベクトル ③家族愛とのこと。
スピード: 成功している韓国企業はオーナー企業が多く、その特徴としては意思決定のスピードが非常に早い。環境の変化が早い中で、すぐに意思決定をして進んでいかなければならないが、日本は政治も経済も企業も意思決定が遅く、そのスピードについていけていない。
ベクトル: 韓国企業は社員のベクトルがひとつの方向を向いている。そのため、組織として企業として大きな力を発揮することができる。しかし、弱い日本企業は向かっている方向がバラバラなだけでなく、外部へ向かってしまうこともあるため、上司に意見をする前に、社外に愚痴をこぼすといったことが起きてしまう。
家族愛: 韓国は家族で生きている、組織で仕事をしているという意識が強く、”愛”で結束されている。しかし、日本はひとり孤独に仕事をし、家族愛や愛社精神に欠けるところがある。
これらの点は会社の経営にとっても重要なポイントだと思います。以前の記事でも書きましたが、私が会社にとって最も大事であると思っているのは「ビジョンを共有して意識をひとつにする」ことです。ひとりひとりの力を結集して大きな推進力にしていくということ、これが組織で仕事をするということだと考えています。また、このブログのタイトルでもあります「あさひ愛」も、社員が「愛」をもって結束することで、大きな団結力を生み出すという考えでもあり、今日の話は非常に共感することができました。
今の日本の製造業は、こうしたポイントが欠けることで、力を落としているのではないかと仰っていました。日本、また日本人の基本的な考え方は民主主義ですが、民主主義を重んじ過ぎるがゆえに、なかなかまとまりきれず、組織として、企業として、国として力を発揮できていないのかもしれません。強いリーダーシップが行き過ぎると「独裁」になってしまいますし、民主主義が行き過ぎてもまとまらない。そのバランスがとても大事だと思います。昨今のような厳しい環境下においては、民主主義も大事ですが、強いリーダーシップをもって、スピード、ベクトル、愛を追及することも必要だと感じました。
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