2013年7月1日月曜日

草食?肉食?

先日日経電子版でこんな記事を見ました。「草食系男子は就活に不利ってホント?」
多くの大企業では、「草食系男子は積極性や上昇志向に欠ける」「自分をアピールしない」「集団に入ると何も話せない」といった理由で敬遠されることが多いといわれる一方で、「表面的にはやさしく見えても、芯が強く仕事への忠誠心もある」「コツコツと積み上げる根気のいる仕事に向いている」「一度スイッチが入ればぐんぐん伸びる」など、草食系男子を高く評価している企業もあるそうです。私も毎年新卒採用に携わりますが、説明会や面接の場で積極的に自分をアピールしてくる元気のいい学生、いわゆる体育会系の学生はほとんど見なくなったなという印象があります。また、他社の知り合いと話をしていても、勉強ができなくてもいいから、もっと元気で体育会系のノリがある若者が欲しいという声も少なくありません。確かに学生時代にスポーツに打ち込んできたという履歴書を見ることが少なくなりましたし、(それと関係があるかは分かりませんが)ガツガツした意欲やアツイ気持ちを丸出しにしてくる肉食系若手が少なくなってきていることは事実なのかもしれません。

「肉食」の定義がはっきりはしていませんが、私は必ずしも肉食系ばかりが良い人材だとも思いません。会社や組織には様々なタイプの人が必要です。例えば営業という職種において、一見ガツガツとお客様にアプローチをしていく人が向いているようにも思いますが、穏やかでも緻密で粘り強い営業スタイルが向くこともあります。お客様の人間性によっても好まれるタイプが変わってくることもあります。ですから、ベストなのはお客様が何を望んでいるかを見極めて、そのニーズを満たせるよう考えてアプローチできる人であって、それができれば肉食でも草食でも構わないのです。

私は以前より「知的体育会系」という言葉を使っています。考えてばかりでなかなか動かないわけでもない、何も考えずに動き回るでもない、動きながら、実践しながら、反省し、考えられる人をそのように表現し、皆さんにも知的体育会系になってほしいと話してきました。大事なことはきちんと考えられる人なのかということです。私はこのことを学生向けの会社説明会でも話しています。学歴、専攻、性別などのプロフィールは一切選考に関係ない。知的体育会系であるかどうかを重視したいと。ですから面接では、今までの人生においてどれだけ考えて判断して生きてきたのかを見るように心がけています。友人や部活の仲間と揉めたり意見が対立したときには、どのように対応したか。人生最高の出来事や成功体験はどのようなことで、その時どう感じ、成功要因は何であったか。逆に人生最大のピンチはどうやって乗り切ったか、などを聞くことで大体のことが見えてくるものです。緊張していてうまくアピールできなくても、事実としての身近な体験を話してもらう中で、知的体育会系の素養を兼ね備えているかどうかを見るようにしています。


4 件のコメント:

  1. 以前から「できるやつほど辞めていってしまう」と言われてきました。
    (残っている人が出来ないやつという訳ではありませんが)
    きちんと考えられる人は、仕事はもちろんですが、自分の人生、会社の将来もきちんと考えています。
    それに応えていけなければ、いくら良い人材を採用出来たとしても繰り返してしまいます。
    私はバカですが、バカだから今まで続いているのかな?とも思います。
    草食、肉食、学歴、専攻、性別など関係ないというのは賛成です。履歴書では見えてこないが、キラリと光る何かを持っている人の「何か」を見つけて採用に活かしてほしいと思います。

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    1. その通りですね。仕事、人生、会社について考えている人が会社を辞めるのは、その人にとって会社が価値のないものと判断した時だと思います。会社の方向性と全く異なる方向を目指して辞めることはやむを得ないと思いますが、方向性が同じでも単に自分にとってプラスではないと判断されてしまうことは避けなければなりません。会社が社員の成長の場であり、人生にプラスになる場となるように。顧客、取引先、社員にとってwin-win-winとなるように尽力していきたいと思います。そのための意見は大歓迎ですので、いつでも私にインプットしてください。

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  2. 本日は顔を合わせて話ができると思っていたのがですが残念でした。
    ブログにコメントしたことについて、数人から反応がありました。
    「初めてだね」、「よくやったね」、「コメントするほど暇じゃない」、「あの人の考えだけでしょう...」。
     私は会社内の事情について、一部分しか見ていないし、知らないと思いますが、多くの社員が同じだと思います。そういう人は断片的な情報からいろいろと判断をしていかなければなりません。
     当社の規模で仕事内容の多様性を考えると全社員が会社の方向性を同じくする事は難しいと思います。急激な改革は歪みを生じます。
    周平さんの耳に入らない情報も下っ端や、直接した関係者は知っています。上流からの圧力は底辺で倍になってしまうのを避けて中間で数十倍になっていると感じます。
    理念や行動力は尊敬いたしますが、裸の王様になってしまうのではないかと危惧しますので、これからも思いついた事をコメントしようと思いました。おかしい?ずれている?何言っているの?と思われる事を社長に向かって失礼かな?と思いつつこれからも一社員が素直な感想を毎回コメントしていきたいと思います。後に続く人を期待します。

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    1. ずっと誰もコメントすることなく、独り言のように続けてきましたから、コメントはとても嬉しく思います。社長に対して誰も意見することをしなくなり、いわゆる「裸の王様」となったとき、社長は身を引くべきだと思っています。「裸の王様」の存在は会社のためにならないからです。私のメッセージや考え方に対して様々な意見があると思います。当然、反対意見や反発もあると思います。それらは、会社の発展を思うが故の意見ですから、ぶつけることは全く失礼なことではありません。そうやって意見をぶつけ合いながら、お互い理解し合い、最善な方向に進んでいければと思っています。

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