2014年5月29日木曜日

見た目もいい会社

以前、「人は見た目が9割」という本がミリオンセラーになりました。人間が伝達する情報の中で話す言葉の内容そのものが占める比率は7%ほどで、それ以外は見かけや、声のトーン、さらにはまばたきの数に至るまでの、非言語コミュニケーションで成り立っている。それだけ、見た目などの第一印象は重要なのだ、という内容です。個人的には、タイトルから期待したほどの内容ではないので、特にこの本自体はオススメしませんが、見た目の印象や非言語コミュニケーションの重要性には共感します。

見た目や第一印象で判断されるのは心外だ。大切なのは仕事なんだから、仕事の本質を見て欲しいと言うかもしれません。確かにその通りですが、見た目の印象の悪さでわざわざハードルを上げる必要はありませんし、最低限の社会人としてのマナーとして気を遣うべきところは遣うべきでしょう。最近はこのような身だしなみについてうるさく言う人も少ないでしょうから、以下私が気になることを何点か書きます。

(身だしなみ)
新入社員の頃は緊張感から身だしなみに気をつけていた人も、数年後には慣れなのか、社会人デビューしてしまうのか、髪の長さや色に変化が現れる人もいます。細かいことを列挙するつもりはありませんが、髪型、ヒゲ、服装などの身だしなみは清潔感があるようにしてください。くれぐれも、泥や油まみれの作業着を着続けたり、よれよれのスーツを着て客先に向かうことのないようにしてください。また、前日のアルコールが残ってしまっている人の口臭対策も忘れずに!

(整理整頓)
事務所、現場、車内は常に整理整頓してください。仕事環境の乱れは、作業や心の乱れ、結果的に仕事のミスにもつながります。私は色々な人の車に乗せてもらう機会が多いですが、車内がきれいな人は、事務所のデスクも、現場の作業場もきれいに整理されています。また、整理整頓ができている人は、余裕をもって効率的に仕事に取り組んでいて、結果的にミスや事故も少ないように感じます。作業環境をきれいに整えて、気持ちよく仕事ができるようにしましょう。

(あいさつ)
顔を合わせた時、社外の人が訪ねて来た時、帰る時、きちんと目を見て挨拶をしてください。特に本社では見知らぬ人が事務所に訪ねて来ることがあるでしょう。それが、お客様であるか、取引先であるか、清掃の人であるかにかかわらず挨拶をしましょう。現場においても、お客様、職人さん、宅急便、弁当配達、社内関係者どのような方であっても来訪者には声をかけましょう。たまに、気づいていながら忙しそうにPCに向かって作業をし続け、顔も上げない人がいますが、そういう態度はとても印象が悪いです。一瞬でも手を止めて、目を見て挨拶をお願いします。

当たり前のつまらないことをくどくど書きましたが、この見た目の印象でその人の仕事の能力や会社の評価などが変わってしまうこともあります。本質ではなくても、それが現実ですから気をつけてください。「見た目」はなかなか自分では気づかないものです。上司、同僚、気づいた人が一言注意し合うことで徐々に変わってきます。まずは、6月の1ヶ月間全社で意識して取り組んで、見た目もいい会社になりましょう!

2014年5月16日金曜日

キャリアプラン -社会人人生の設計

みなさんは、自分の5年後、10年後の姿をイメージしながら日々の仕事に取り組んでいますか?就職活動の時に、自分の将来像と照らし合わせながら就職先を検討したり、自分の強みや弱みを分析しながら企業に自己アピールをしたりしたことはあるでしょう。しかし、一度就職してしまうと、忙しい日々に追われてしまい、将来像や目標を見失ったり、中長期的な社会人としての人生設計ができずに時が経ってしまっているというのが現実かもしれません。

私の考える理想的な会社は、社員が継続的に成長しやりがいを持って働くことができる会社です。「仕事のやりがい」というのは人それぞれではありますが、仕事を通じて自分自身が成長していることを実感できることは、仕事のやりがいのひとつだと思います。個人の成長が成果に結びつき、その成果が社内外から評価された時には、それまでの苦労が吹き飛ぶような喜びにつながります。こうしたやりがいは、待っていて得られるものでも、会社から与えられるものでもありません。自分自身が苦労しながら成長して掴み取るものです。仕事にやりがいを感じられない人の多くは、「会社は○○してくれない」「上司は○○してくれない」「あの部門は○○してくれない」の「くれない族」になっていることがあります。「くれない」から「できない」というのではなく、「できる」ようになるために何を「する」のかを考えるという思考を持つようにしましょう。この考えが自分自身を成長させ、必ずやりがいにつながるはずです。

自身の成長のためにキャリアプランを立ててみましょう。これが、冒頭に書いた、自分の5年後、10年後の姿をイメージしながら社会人人生の設計をするということです。自分の将来像のイメージを現実のものにするために、今の自分に欠けているものは何か、どのような経験を積み、何を習得する必要があるのか。この理解があって初めて成長することができるのだと思います。皆さんには、目標管理という評価制度の中で半期ごとの目標設定と自己評価をお願いしています。これは限られた短期的な期間の中での目標設定とその振り返りになるわけですが、キャリアプランは残された社会人人生という中長期的な期間の中での目標設定と、その進捗管理といえるでしょう。もちろん途中で目標が変わることもありますし、なかなか進捗しないこともあるかもしれませんが、常にこの計画を持ちながら仕事をするということが大切です。

人間は変化を嫌いますから、慣れてきた仕事をできるだけ継続していたいという考えをどこかで持ってしまいます。もちろんある程度の経験があって初めて高いパフォーマンスが発揮されることは間違いありませんが、同じことを長いこと継続していては成長が止まってしまいます。ですから、キャリアプランを立ててステップアップすることが必要なのです。ひとつの仕事やポジションでの経験が豊かになってきたら、そろそろ次のステップに移ろうという意識を持つことで、継続的な成長が可能になります。筋力トレーニングでも、10回のベンチプレスをして、もうダメだと思ってからの2回が筋力アップにつながるといいます。仕事においてもこなせる範囲で仕事をしていても成長はありません。環境や役割などを変えながら自分にできないことに挑戦するから伸びていくのだと思います。

キャリアプランは会社側でも描いています。個々の社員に期待する将来像とそのために必要な経験を常に検討しながら人員配置を決めています。重要なことは、自身で描いているキャリアプランと会社が描くキャリアプランをすりあわせながら、社員の成長を促すことだと思います。今年度から自分のキャリアプランを記述して提出してもらうようにしました。頭の中でなんとなく思い描いていることでも、いざ文章にしてみると意外と難しかったのではないでしょうか。ただ、個々のキャリアプランをこのようなかたちで表明してもらうことで、会社側もそのキャリアプランの実現や成長を支援することができますし、社会人人生についての色々な意見交換も可能になると考えています。是非みなさんが思い描いている人生設計をありのままに表現してみてください。