コントロール範囲を超えたら事故と同じ
ビジネスの現場では想定通りにならないことがたくさんあります。お客様の無理な要求、職人さんの技量不足、支給された図面の不具合や遅延、他工程遅れによる影響、、、
現場担当者にはこうした難題をなんとか解決しながらプロジェクトを前に進めていくことが求められますが、自分でコントロールできる範囲を超えた時には、即座に上司に報告してチームで解決していくことも必要です。
現場で事故が起きた時には、すぐに上司と安全に報告します。これは社内ルールであると同時に、現場担当者の責任範囲を超えているからといえます。事故の原因を特定し、再発防止策を検討し、報告書類を作成し、場合によってはお客様の上層部へお詫びにいくことも必要になります。これらは、現場担当者単独ではなく、上司や安全部門とともに会社として対応する必要があるわけです。
これと同様に、お客様に依頼したことをなかなか実行してもらえない、お客様からコストや工期に影響がでるようなことを要求されているなど、自分のコントロール範囲を超えた状況になった場合には、やはりチームとして会社として対応する必要があります。これは一種の事故的状況であり、現場担当者だけの範囲で進めるべきではないのです。
ルールを守れば上申するのに遠慮はいらない
担当者同士の話し合いで解決しない場合には、お互いの上司に上申して、ひとつ上のレベルで話をしてもらいましょう。上司に話をあげて、先方の上司と話をしてもらうとなると、いいつけたように感じるかもしれません。しかし、ルールさえ守ればこれは当たり前のやり方です。
そのルールとは、「本件は自分の責任範囲を超えており、自分では判断できないため、上司にあげます」と相手に宣言する。これさえ守れば遠慮する必要は全くありません。
ひとつ上のレベルでも解決できなければ、その上、その上、と上げていき、最後は社長同士で決着をつければよいのです。これが組織です。個人で仕事をしていれば、全ての自分ひとりで解決しなければいけません。しかし、皆さんは旭シンクロテックという会社と組織に所属していますから、この組織を活用してチームで解決させることができます。
ひとりじゃない、組織で解決しよう
上司に報告して会社としての対応を依頼するというのは、決して力がないとか、弱音を吐いたとか、責任を果たさなかったということではありません。むしろ責任範囲を超えていながら抱え込んでいた方が、現場担当者の責任を果たしていないことになります。
当社には責任感が強い社員が多いので、トラブルが生じてもなんとか自分自身でなんとか解決しようと考えがちです。まずは自分自身で解決に向けて精一杯の努力をすることはとても大切なことです。しかし、自分の責任範囲を見極めて、タイミングを逃すことなく上司を巻き込むこともとても重要なビジネススキルのひとつです。
皆さんはひとりではありません。上司と一緒に、私と一緒に、組織として、また会社として難題に立ち向かっていきましょう。