2012年1月25日水曜日

win-win パートナーシップ

材料メーカーS社を訪問し、協業について経営レベルでディスカッションを行いました。両社のビジョンや戦略、強み弱み、今後狙っていきたい市場などについて情報交換をした上で、協業のポイントや具体的なアクションプランまで落とし込むことができ、大変有意義な時間でした。S社は外資系メーカーでありながら、非常に日本的文化を持った会社であるという印象を受けました。また、倉庫/在庫管理から物流システムまで日本の市場にきめ細かく対応するための仕組みづくりも進めておられます。何より、品質に非常にうるさい日本市場からの意見を、本社が品質管理上の重要な情報源として認識していることにも驚きました。私は外資系ソフトウェアメーカーにいましたが、日本の品質に対する意見はなかなか理解されず、米国本社からは煙たがられたものです。。。

当社の中期戦略の柱のひとつに「協業によるビジネスの拡大」をあげています。短期間での事業の拡大および成長を実現するには、自社の力だけでは困難です。ですから、お互いの強み弱みを補完しあい、ともにゴールを共有できるパートナーとの協業が必要になります。商流上の付き合い(仕入先や顧客)だけでなく、横の付き合いを広げていくことが、様々なビジネスチャンスをもたらします。特に、お客様からの要求が多種多様になってきている昨今、各社とも事業領域を広げて、幅広い対応ができるように心がけています。しかし、周辺事業については、まだ確立できていないというのが実態ではないでしょうか。ここに協業のポイントがあります。

S社を含め、メーカーや商社は従来からモノを販売することで収益を得ていました。しかし、お客様は徐々にモノを買うにあたり、そのメリットや効果を求めるようになりました。さらに、製品単体での機能だけでなく、この製品を自社の現在の製造ラインに組み込んだ時の投資対効果を要求してきます。それには、製品単体の情報だけでなく、お客様の現設備に関する情報や、製品を組み込む為の工事費なども含めてトータルな提案をする必要があります。しかし、一般的にメーカーや商社にはそこまでの対応力がありません。そこで当社が調査、設計、施工などを担うことで補完することができます。

一方当社は、古くからのお客様とのお付き合いの中で、工事をすることで収益を得てきましたから、新規顧客開拓営業が苦手です。一度施工させてもらえば、その実力を理解いただけるのでしょうが、そこにたどり着くことがなかなかできません。そこで、苦手な顧客開拓についてはメーカーや商社に力をお借りしたいと思います。

このような双方にとってメリットがあるwin-winのパートナーシップが、今後当社が成長していくための鍵になります。S社ともこれから協議を詰めて、両社にとって大きな価値創造につながることを期待しています。


2012年1月17日火曜日

人事制度改定②

今回は「人事制度の基準」となる「等級制度」について説明します。等級制度とは、社員をその職務内容や責任範囲で区分けしたり、保有するスキルや発揮能力によって段階付けをしたりする仕組みです。採用、異動、評価、処遇、育成など全ての人事施策は、この等級制度に基づいて判断、実行され、人事施策の統一性、一貫性を維持できます。

等級制度では、大きく「総合職」と「一般職」に区分します。総合職とは、会社の事業を主体的に牽引する社員で、そのスキルや能力の高さによっては、管理責任を持ったり、役職についたりします。また、転居を伴う異動も行われることがあります。一方、一般職は会社事業を補佐的に行う社員です。サポーターですから、管理責任はなく、管理職になったり役職に着くこともありません。また、転居を伴う異動も行われません。

現在の工事職、営業職、技術職、事務職の一部は総合職の仕事といえます。事務職には、企画業務や社外の利害関係者との折衝など、事業に大きく寄与する業務と、伝票処理などの反復的な事務処理業務に分かれます。この場合、前者は総合職、後者は一般職の仕事といえるでしょう。社員の皆さんには、今回の制度改定のタイミングで、今の業務内容にかかわらず、今後総合職として働きたいか、一般職として働きたいかを選択してもらいたいと思います。この機会に自分自身の当社における仕事の仕方やキャリアについてじっくりと考えてみてください。

次に段階付けについて説明します。社員はそのスキルや発揮能力によって、総合職は6段階、一般職は3段階に段階付けがされます。この段階を等級といい、全ての社員には、どこかの等級が割り当てられます。また、それぞれの等級で求められるスキルや行動が職種ごとに定義されており、自分に割り当てられた等級ではどのような行動が求められるのか、また、ひとつ上の等級に上がるためには、どのようなスキルアップが必要なのかが分かります。自分自身で成長の方向性を見出すことに加え、上司と部下で人材育成に関する共通認識を持つことにもつながります。

等級と給与にも密接な関連付けがされています。等級ごとに、給与の最低額と最高額が決まっており、この範囲内で給与が支給されます。等級があがれば(等級があがることを昇格といいます)、最高額が引き上げられ、年齢に関係なく昇給し続けますが、同一等級でいる限りは、最高額に達した時点で昇給が止まります。つまり、継続的なスキルアップをして昇格しない限り、いつか昇給が止まってしまうということです。年功制では、長く勤めることにモチベーションを持ってもらいましたが、新人事制度では、等級制度という基準(モノサシ)を使って、上位等級に上がること、つまりスキルアップと会社への貢献度アップにモチベーションを持ってもらう仕組みなのです。

2012年1月7日土曜日

「こたえづくり」を利益に

みなさん、明けましておめでとうございます。この年末年始は、お陰様でいくつかの工事を請け負うことができました。正月返上で工事を担当してくれたみなさん、有難うございました。正月工事に代表されるように、下半期から年度末に向け、尻上がりに工事案件が増えてきています。また、来年度の予算計画に伴い、数多くの見積もり依頼もいただいています。ひとりひとりがこなさなければいけない仕事量が増え、負担が大きくなっているとは思いますが、3月までの限られた期間に、どこまで取り込めるかが、今期・来期の明暗を分けますので、力を合わせて頑張っていきましょう。

さて、新年にあたり様々な経営者が今年の方針や見通しを出していますが、概ね景気は上向きと見ているようです。しかし、当社プラント事業の客先となる主要な製造業では、リーマン、震災に続き、長引く円高に頭を悩ませています。円高の影響で、海外事業がマイナスインパクトを受けるだけでなく、海外製品の輸入、海外競合他社の参入も増え、国内市場でもさらなる価格競争に陥っています。各社とも、一層の製造原価の圧縮、生産効率の向上に努める傾向にあり、それが、当社の受注金額へ影響を与えることは間違いありません。

今までと同じ仕事を、同じようにやっていただけでは、得られる利益は下がってしまいます。主要客先が製造原価圧縮に取り組んでいるように、当社でも工事原価の抜本的な見直しを図らなければ、生き残って行くことはできません。同時に、お客様にとって価値ある企業として認識してもらえなければ、すぐに見放されてしまいます。しかし、お客様が求めていることと、当社の強みがマッチすれば、必ず利益につながるはずです。それが「ソリューション」なのです。

当社は2年前から、「工事請負会社から設備のソリューションカンパニーへ」をスローガンにしてきました。お客様から依頼された工事を行うだけでなく、お客様が何を求めているのか、何に困っているのかを見極め、それに対する「こたえ」を提案して、工事で形にしていくこと、これがソリューションカンパニーの姿です。「ものづくり」の価値はどんどん下がっていきますが、「こたえづくり」の価値はどんどん上がっています。今年は、この「こたえづくり」を利益につなげていきましょう。

今年も1年間よろしくお願いします。