2012年8月22日水曜日

N製紙釧路工場竣工式

N製紙釧路工場におけるクラフト紙製造設備の竣工式に出席しました。本設備は、従来新聞紙を抄いていたマシンにクルパックという機械を入れることで、同じマシンで新聞紙とクラフト紙の両方を生産することができるという、世界初の設備となります。クラフト紙とは、無漂白パルプを用いた茶色の紙で、セメントや米などの重量物を入れる包装袋や封筒などが主な用途となります。また、クルパックとは、包装袋が重量物を入れても破損しないよう強度を増すための機械で、今回はこの機械を既存の生産ラインに組み込む改造工事でした。

釧路工場では従来より新聞紙に特化して生産をしており、首都圏にも出荷をしてきましたが、昨今の新聞をはじめとする情報メディアの紙離れによって需要が減退し、厳しい状況に陥っていました。そこで、従来通り新聞の需要にも応えつつクラフト紙も製造できる生産体制を整え、生産量の拡大を目指したというわけです。また、釧路工場では、既存のパルプ設備をレーヨンなどの繊維を製造できるように改造するなど(10月に稼働予定)、低迷する製紙業界を支えるべく新技術の導入を進めています。

市場ニーズの変化によって、製紙業界でも従来の核となる技術を活かした新しい製品の開発、生産体制の構築が進められています。これは、製紙業界におけるある種の改革でもあり、当社にとっての新たな市場の創出でもあります。是非、業界や地域そして当社の発展のためにもこうした改革を進めていただきたいものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿