2013年2月24日日曜日

お客様の経験価値を上げる

お客様によって、やりやすい現場とやりにくい現場があると思います。短期間にお祭り騒ぎの中で一気に終わらせるような現場もあれば、時に家族よりもお客様と接している時間の方が長くなるような長期の現場もあります。そのような長期の現場では、徐々にお互いの「人となり」が見えてきます。そうなると、仕事ができる/できないということに加えて、その「人となり」に合わせながら付き合っていく必要が出てきます。それは、性格であったり、価値観であったりで、「なんとなく合わない」ということも多くあるでしょう。そう思い始めると、お互いに意識したり、見えない壁などができてしまい、ぎくしゃくすることもあります。また、お客様から理不尽なことを言われ、カチンとくることもあると思います。そのような時には決して「感情」で対応せずに、ぐっとこらえるようにしてください。何故なら、相手はお客様だからです。

私たちは、お客様に提供する価値や満足の対価としてお金を支払っていただいています。ですから、受注したからにはお客様に価値を感じてもらわなければいけません。これは施工品質さえ良ければいいというものではありません。私たちが提供する価値には製品価値と経験価値というふたつの種類があります。工事で創り上げる納品物が製品価値だとすれば、工事期間中にお客様が受けた当社の印象が経験価値となり、この双方が満足できなければ、価値が提供できたとは言えません。製品価値がいくら高くても経験価値が低ければ満足度は下がりますし、逆に経験価値が高ければ多少の品質には目をつぶってもらえることもあります。製品価値だけで勝負しているのは職人と呼ばれる人たちです。職人は自分の創り上げる製品価値が理解できない人は相手にしない傾向にあります。「俺の握った寿司が食えねえなら帰れ」といったかたちです。しかし、私たちは職人ではなくビジネスマンです。ビジネスである限り、製品価値と経験価値を両立しなければ、評価はされないということを理解してください。

お客様は時に理不尽です。確実に相手が間違っているという時もあるでしょう。しかし、その場で感情的な対応はせずにぐっとこらえて、後で会社として対応するようにしましょう。お客様の要求を全て飲めと言っているのではありません。理不尽な要求は飲めませんから、その場は相手の気分を害さないように応対し、後で持ち帰って会社として組織的な対応や申し入れをすれば良いのです。お客様も人間です。こちらがいつも気持ちの良い対応を心掛ければ、やがて理不尽な要求もなくなり、最終的には経験価値をあげることにつながるでしょう。ストレスがたまったら、私も含め上司に愚痴って発散させて、翌日はまた笑顔で現場に戻りましょう。経験価値を上げるということも重要なサービスだということを意識してください。

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