2013年2月17日日曜日
「安全」と「効率」
先日、当社の協力会の安全祈願として成田山へ行ってきました。成田山は、先日亡くなった歌舞伎役者市川団十郎とも縁が深く、成田屋の屋号を名乗るようになったのも、成田山の御不動さまとのご縁からとのことです。(市川団十郎と成田山のご縁)
当日は、御護摩(おごま)祈祷によって一年の無事故無災害を祈願しました。御護摩とは、炉の中に細く切った薪や供え物を入れて燃やし、火の神が煙とともに供え物を天に運び、天の恩恵にあずかろうとするものだそうです。成田山では、さらに祈祷に訪れた人の持ち物(鞄や財布など)を、御護摩の火に当てて、御不動様の御利益をいただくということも行ってくれます。残念ながら当日私は手ぶらでしたが。。。
年明けを中心にこうした安全祈願を毎年行いますが、無事故無災害を達成することはなかなかできません。残念ながら今年もすでに交通事故が発生してしまいました。こうした現場事故や交通事故を、故意に起こす人は誰もいません。しかし、その原因を探っていくと間接的には意図的に事故を起こしていることが分かります。つまり、わざと怪我をしたり、モノを落としたり、壊したりすることはありませんが、効率、スピード、楽(らく)を求めるが故に、本来すべきことを敢えてせずに結果的に事故につながっていることが大半です。車の運転でいえば、教習所で教えられたように交通ルールを100%守っている人はどの程度いるでしょう?40km規制道路で40km以下で走っていますか?一時停止サインで完全に停止していますか?(さすがに飲酒は100%守られているでしょう)交通ルールは認識していますが、早く到着地に着きたいということから敢えてこのルールを破って運転している人が多数だと思います。この意図的なルール違反が現場でも事故につながっているといえます。
仕事ではしばしば効率性が求められることがあります。効率が結果的に利益につながることが多いからです。しかし、効率を求めて事故を起こしてしまっては大きな損失になります。事故そのものの損失だけでなく、信頼を失うことによる損失は測り知れません。「安全は何物にも優先される」という標語をよく見かけますが、これは仕事の効率よりも安全を優先すべきということです。安全を優先しろとい言う一方で、仕事を効率的に行い利益をあげろと言う。矛盾していますが、「安全」と「効率」、この矛盾するふたつをどのように両立するかは、個々の意識の持ち方とバランスとしか言いようがありません。無駄に何重にも安全対策をとる必要はありませんが、リスクを冒してまで効率を求めることは御法度です。
この意識やバランスが保てず事故を止めることができない場合、会社としてはその責任から制裁を加えたり、多くの安全対策投資をせざるを得なくなります。例えば車の運転を一切禁止すれば交通事故はなくなるかもしれません。各現場に安全対策専任者を数名配置して指導すれば現場事故は減少するかもしれません。しかしそれはナンセンスですし、本質から逸れてしまいます。ですから、ひとりひとりの意識とバランスが重要なのです。敢えてルールを逸脱しようとした時に、必ず一度立ち止まりそのリスクを考えてみてください。そのクセをつけることが一番の安全対策だと思います。
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