リーマンショック以降、当社は経営的に不安定な時期が続きました。しかし、社員の皆さんの頑張り、お客様や協力会社の支えによって、再び力強く前に進み始めることができました。ここには、当社の長い歴史の中で培ってきた多くの信頼関係があったからこそ、乗り越えられたということを決して忘れてはいけません。お客様が仕事を発注してくれ、協力会社が仕事を請けてくれて、社員が働いてくれて初めて会社は成り立ちます。商売が順調であれば、この関係は何もしなくても自動的に成り立ちます。しかし、少しでも陰りが見えた時、商売だけで成り立っている関係は一瞬で崩れ去ります。厳しい状況下であっても強固な繋がりをもてるのは、そこに信頼関係がある時だけなのです。
信頼関係を築くのには時間がかかります。その一方で、信頼を一瞬にして失うこともあります。私が考える信頼関係構築の絶対必要条件は、正直であること、そしてwin-winであることです。やると言ったことはやる。万が一できなかった場合には言い訳をせずにすぐに謝罪する。マイナスなことほどすぐ報告する。物事が順調に進んでいる時には分かりませんが、逆境に立たされた時にどのように振る舞うかで、人間性が見えるものです。こういう時こそ、正直な真っ直ぐな対応が必要なのです。
いくら正直な相手でも、全く価値のない相手と関係を築くことはできません。信頼とは、信じて頼ること。困った時に頼りになるから信頼できるのです。しかし、一方的な価値提供では関係は長続きしません。信頼に片想いはあり得ません。お互いに貸し借りを繰り返しながら、最終的にはwin-winであること、双方に信頼しあっていることが長期的な関係の構築に繋がるのでしょう。
当社が厳しい状況にあったこの一年間、仕事の発注をやめたり控えたりしたお客様は一社もありませんでした。それどころか、小さい案件でも便宜を図ってくれたり、取引条件を改善してくれたり、ことあるごとに温かい言葉をかけてくれたりしました。協力会社も誰も離れることなく仕事を続けてくれました。「何も心配してないよ」「何かあってもウチは旭と心中だ」この言葉には胸が熱くなりました。社員の皆さんもよくついてきてくれました。チャレンジングな数値目標にも最後まで諦めることなく、素晴らしい結果を出してくれました。会社が好きだ、なんとかしたい、そんな気持ちを全面に出して突き進んでくれました。当社のお客様、社員、協力会社は、信頼関係で結ばれている、これは当社の最大の価値なんだと再認識させられました。同時に、なんとかこの信頼に応えていきたいという思いを強く抱きました。これからも、お客様、協力会社、そして社員に信頼される会社、社員どうしが信頼し合える会社を目指していきたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿