2014年8月27日水曜日

ソリューションは身近にある

私が「設備のソリューションカンパニー」になるというビジョンを掲げて5年くらいがたちました。初めはカタカナで何のことだか分からないという人も多かったと思いますが、少しずつ皆さんの口からソリューションという言葉が出るようになってきたように思います。(半ば馬鹿にしたように口にする人もいますが、口に出るようになるということは理解、定着への第一歩だと思っていますからこれも前進です。)しかし、先日ある社員と話をしたところ、少しこの言葉を難しく捉えすぎているのではないかと思いましたので、今日は改めてこのソリューションについて話をしたいと思います。

従来建設業界では、お客様が望むモノを造るということに価値があり、それだけで十分評価してもらえました。しかし、業界全体の技術レベルがあがり、お客様の望むモノを造ることができる会社が増えてくると、そこにプラスαの付加価値が求められるようになりました。それは必ずしも高度な技術力を必要とすることだけではありません。お客様の要望を汲み取って迅速な対応をとったり、お客様が気づいていない課題を認識して自分の経験に基づいてちょっとした提案をするなど、お客様の考えや目的を理解して、どこまでその意に沿った対応ををとることができるか。これがプラスαの価値でありソリューションです。私たちの仕事はモノを造ることではありません。ものづくりを通してお客様の目的達成のお手伝いをすることにあるということを忘れないでください。だからこそ常にものづくりの先にあるゴールを見据えて、お客様にとって何がプラスαの価値になるかを考えながら動く必要があるのです。

先日の新卒の採用面接で、学生から「当社において仕事で成功している人はどのような人ですか」という質問を何度か受けました。私は、仕事を先読みして動ける人、仕事にプラスαを付け加えられる人と回答しています。何かひとつの仕事を頼まれたときに、次にこのようなことを頼まれるであろう、これもやっておけば役に立つであろうということを考えて仕事に取り組むことができる人です。頼まれたことだけをこなすだけでは60点(普通)。そこにどれだけのプラスαを付け加えられるかがその人の価値につながるわけで、これがソリューションという考え方なのですという話をします。自分自身がサービスを受ける立場だったとして、直接お願いしていないにもかかわらず先読みしてサービスしてくれれば、「おっ、この人できるな」と感じますよね?まさにそれです。

当社技術部のソリューショングループは、自身の技術力を磨いて省エネ提案やエンジニアリングをしていますが、これはソリューションの一例であって、これだけをとってソリューションといっているのではありません。ソリューションとは考え方や仕事に対するスタンスであり、誰でも様々なかたちで提供することができることなのです。意識を変えれば普段の仕事の中にソリューションの種はたくさん見つかります。お客様に対する洞察力と皆さんの長年の経験をもってすれば、必ずお客様に評価されるプラスαを提供できるはずです。この積み重ねが皆さんひとりひとり、そして会社の価値を飛躍的に高めてくれます。早速今日、ひとつのソリューションを見つけてみてください。


2014年8月6日水曜日

社風は財産

今回は採用活動を通じて感じたことをもうひとつ。私は学生との最終面接で、他社と比べた時の当社の魅力と劣っていると感じる点をそれぞれ必ず聞くようにしています。その際、ほぼ全員が当社の「アットホームな雰囲気」を魅力としてあげます。(面接ですからなかなか劣っている点については、はぐらかされて話してもらえません)最終面接までには、会社説明会、一次面接と社内の雰囲気を感じることができる機会は限られていますが、彼らはその機会を通じて確実に何かを感じ取っているようです。

どのような場面でそう感じたのか尋ねると、とても興味深い答えが返ってきます。一次面接は若手社員に対応してもらっています。聞いて欲しい設問や、評価のポイントなど面接をするにあたっての簡単なガイドラインは提示しますが、それ以上の指導はとくにせずに実際のやり方は面接官に任せています。しかし、誰が面接をしても、「話しやすく緊張をほぐしてくれる」「うまく喋れなくても自分の長所を探し出そうとしてくれる」といった温かい印象を受けるそうです。他社ではどうなのかを尋ねると、アラを探して落とそうとしていると感じたり、上から目線で話をされ萎縮してしまったりするそうです。私の面接も、終始部活やバイトなどの話をしてもらい、リラックスして自分の経験を自分の言葉で語ってもらうようにしていますから、基本的な面接スタイルは同じですよね。面接についての打ち合わせをしているわけでもないのに(本来はしっかりと打ち合わせをしなければいけないのかもしれませんが…)同じスタイルで面接をし、同じ印象を与えられているということを聞いて、これが社風なんだなと感じました。

また、会社説明会の後にぐるっと本社事務所内を見学してもらうのですが、この時にも仕事をしている時の雰囲気の良さを肌で感じるそうです。ある人は、面接が終わって帰る際にエレベーターで一緒になった社員が気さくに話しかけてきて、当社の仕事の魅力を語ったそうです。そういったエピソードを面接で聞くたびに、これが一番の旭の魅力だなと非常に嬉しく思います。表面的に感じよく振舞って良い印象を与えようとしてもすぐに見破られてしまいます。かれらは当社の魅力を肌で感じ取り、徐々に入社への期待を高めてくれています。

皆さんが学生時代に当社への入社を決めた時、当社への強い憧れや高い期待はありましたか?私が言うのもなんですが、あまりありませんでしたよね?当社は学生に知名度があるわけではありませんから、入社したのはちょっとしたきっかけだったと思います。しかし、そのきっかけによって入社した社員が現在200名いて、その9割がプロパーですから、結果的に多くの社員が長期間勤めている会社ということになります。当社の社風も、勤続年数が長いことの理由のひとつなのではないでしょうか。社風というものは1年や2年でできるものではありません。当社の70年近い歴史の中で、徐々にできあがった財産です。私はこの大切な財産をこの先も守り続けていきたいと思います。