今日から69期下半期のスタートです。今年度は昨年度の完成高実績115億から減収目標でスタートしましたが、上半期末時点での見込完成高達成率89.5%と、ここまで順調に推移しています。また、昨年同期と比較すると、完成高は下回るものの粗利益では上回っており、利益率重視の方針通りに進められていることが分かります。上半期の皆さんの努力に改めて感謝します。今年度目標を減収としたのは、無理に受注高を増やすのではなく、営業活動および受注案件の施工にじっくり取り組むことによって、個々の案件の利益率を向上させることが狙いです。売上高を増やすことで、見積精度が低下したり、十分な施工体制がとれず、結果的に施工ミスや管理ミスを招いてしまっては元も子もありません。目先の売上高ではなく、盤石な体制構築によって少しでも信用や利益の逸失を防いでいきたいと思います。
今年度のスタート時、"save to win"というスローガンを掲げました。経済情勢、受注環境が改善されてきている今、私たちに必要なのは守備力です。前半戦リードしている試合で、後半戦を守りきるには”セーブ”をあげる必要があります。(セーブ:野球でリードしているチームの救援投手が試合終了までリードを守りきることで付く投手記録) 営業活動においては、やみくもにとりにいくのではなく、仕様や原価、見込利益率、客先のクセ、他社からの受注状況、社内リソースなどをよく確認して慎重に受注判断をしなければなりません。一度受注した案件は、安全管理、品質管理、原価管理を慎重に行い、客先を失望させたり不用意に利益を失ったりすることの無いように努めましょう。災害ゼロ、失望ゼロ、赤字ゼロが"save to win"に込められたサブメッセージです。
ここまでの災害発生状況を確認すると交通事故と物損事故が目立ちます。残念ながら当社の重要客先の1社から私宛に、物損事故を連続で引き起こしたとして警告書が届いたほどです。いずれも軽微な内容ではありますが、それはあくまで結果。軽微な事故も重大災害も原因は同じヒューマンエラーと不安全行動に集約されます。軽微な結果はただ単にラッキーだっただけと認識して、原因の究明と対策をしっかりとるようにしましょう。この時点ではイエローカードですが、次はありません。レッドカード、退場とならないように、最新の注意を払って行動してください。
お客様や協力会社との信頼関係は最強の優位性となります。信頼を築き上げるには非常に時間がかかりますし、大変な努力の積み重ねが必要となります。しかし、ちょっとしたことでその信頼は失望や裏切りとなり、一瞬で信頼関係が崩れてしまうことがあります。信頼関係が強固であればあるほど、失望の度合いは反動となって大きくなるものです。工事品質はもちろんのこと、契約や金銭に関わること、行動や言動のひとつひとつが、信頼の積重ね、もしくは失望につながります。自分の行動がどちらにつながっているかを考えながら行動してください。工事品質については、今年度から品質管理部門を立ち上げ、会社としての品質管理プロセスの構築をスタートしました。特に、新しい注力領域となる製薬分野や、電気事業法に関わるマルGなどにおいては、必要不可欠な管理手法です。本件については改めて説明がありますから注意して聴いてください。
この数年、下半期になり工事物件が完成に近づくと、原価管理ミスによる採算低下が目立つようになります。これは、下半期にミスが発生するのではなく、その予兆があったにも関わらず、早期対策をとることができずに手遅れになってしまうというものです。当社では原価管理については現場代理人や営業所長に権限委譲していますが、そのひとりひとりのスキル頼みとなるのではなく、会社としてフォローができる仕組みを構築しなければ、会社の実力をあげることはできません。今年度からは品質管理同様、追加工事や原価の予算超過などのリスクを早期に回避するための仕組みづくりに着手しました。下半期はこうした仕組みの実践と定着のタイミングですから、組織として、また会社としてリスクを最小限に食い止められるよう一丸となって取り組んでいきましょう。
当社は上半期時点でリードしている状況です。災害ゼロ、失望ゼロ、赤字ゼロで最後まで闘いぬいて、今年度も勝利を手にしましょう!
2015年9月30日水曜日
2015年9月2日水曜日
しつけ三原則
先日社会教育家の田中真澄さんという方の講演を聞く機会がありました。田中さんによると、人間の能力は、知識、技術、そして心構えの3辺で構成される。その中でも心構えはその底辺となる能力であり、どんなに知識や技術が優れていても心構えができていなければ、それらを十分に引き出すことはできないという話を聞き、非常に共感をおぼえました。知識や技術は専門性が高く、特定の業界や分野に特化したものですが、心構えというものは、その根底にある人間本来の最低限身につけておくべきものです。そういう意味では、コミュニケーション力、洞察力、論理的思考力などのあらゆる業界、あらゆる企業、あらゆるビジネスシーンにおいて必要となる能力を、私は「人間力」と表現していますが、それに近いものかもしれません。また、知識や技術は一度習得すれば、なかなか落ちるものではありませんが、心構えは毎朝の歯磨きのように毎日磨き続けなければ、維持することができないそうです。つまり日々の行動や考え方の習慣によって、心構えや人間力は磨かれるということなのではないでしょうか。
それではどのような習慣で心構えを磨くことができるのか。その基本中の基本は「しつけ三原則」にあると言います。
しつけ三原則=挨拶、返事、後始末
しつけなどと言うと子供の教育のようですが、田中氏は勉強させることよりもこれらのしつけの方がずっと大事なことであり、こうしたしつけがされないまま大人になって恥をかいたり、仕事において本来の力が発揮できずにいる人がとても多いといいます。私もいまさらという気もしますが、やはり大切なことですので以下にコメントしたいと思います。
挨拶
特に本社で気になりますが、未だに挨拶がろくにできない人がいます。少なくとも、朝の出社時と夕方の退社時くらいは、明るくしっかりと挨拶をしましょう。社内の人だけでなく、取引先、清掃業者の方、事務所に出入りしている人は皆ビジネスパートナーです。パソコンのモニターから一切顔をあげない人もいますが、あれは本当に印象が悪いことです。初めは恥ずかしさもあるかもしれませんが、誰かの挨拶に便乗するかたちでも構わないので、積極的に声を出すようにしましょう。
返事
声をかけられた時、何かを頼まれた時、注意を受けた時など、何かを投げかけられたらそれに対して素早く返事をしましょう。メールでの依頼に対しても同様です。依頼事項に対する回答をすぐに返すことができない時は、依頼を了解したこと、いつまでに対応する予定であるかくらいは返信するのが常識です。中には、依頼を投げかけても一切のレスポンスがない人もいますが、メールに返信しなければ無視しているのと同じです。
後始末
仕事が終わった後の片付けまでが仕事です。本社では机の上に書類が散乱したまま帰っている人が何人かいます。ましてやフリーシートに書類やパソコンのを放置したまま帰る人も。現場では日々の材料や施工機器類の片付け、引き渡し前の最終確認などがそれにあたります。養生テープを剥がし忘れたり、梱包などのゴミを残して引き上げたりしていませんか?施工品質がいくら優れていても、後始末ができていないだけで、お客様の印象は大きく変わってしまいます。立つ鳥後を濁さず。最後に現場をぐるっと回って、綺麗に掃除をしてから引き上げることを徹底してください。
挨拶、返事、後始末は、確かに毎朝の歯磨きのように繰り返されるものです。一度癖にしてしまえば何でもないのかもしれませんが、それまでは意識的に行動をして心構えを磨く必要があるのかもしれません。自分自身が意識をするだけでなく、周囲に対しても意識を高めていくようにしていきましょう。
しつけ三原則以外に人間力をあげるための行動や考え方の習慣で私自身も意識していることがありますので、今後のテーマにしていきたいと思います。
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