2016年9月1日木曜日

技術力より人としての信頼が先

無名な当社と取引をしようと思った理由

タイヤ業界への進出は当社の重要な営業戦略のひとつです。4年前から注力をはじめましたが、今では産業設備事業における立派な柱となってきています。また、これまでご用命いただいた仕事は、とても機密性が高く、重要なプロジェクトが中心となっており、お客様が如何に当社を信頼してくださっているかが分かります。
先日、お客様の役員の方と話をした際に、初めてのお取引の時、何故当社のような無名な会社を、御社の機密に関わる重要なプロジェクトに参画させてくれたのかを聞いてみました。
こたえは、
①当社が製紙会社N社と長期にわたって取引をしていること
②東日本大震災の時に、取引のないお客様に支援をしようと動いたこと(結果的には必要なくなり具体的な支援には至りませんでした)
ということでした。
つまり、他社との継続的な取引や、過去のちょっとした出来事が、会社の信頼となって今に至っていたのです
初取引の時点では当社がどのような技術力を持っているのか分からない中で、会社を信頼してくださり、仕事を任せていただいたというのはとても嬉しいことです。


技術より人間としての信頼が先

皆さんは、その信頼を得ることに繋がった、製紙業界における初めての建設工事のエピソードを知っていますか?
当社が初めての製紙工場の建設に携わったのは、昭和34年富岡工場でした。その当時の当社の紙関係の仕事経験はゼロ。しかし、「技術は学べば身につけられるが、人間としての信頼はそうはいかない。人間としての信頼が先だ」という考えを聞いて、「それだけ信頼されれば、それに応えなければ」ということでチャレンジしたそうです。(当社50年史より)
この約60年前のチャレンジが、当社の紙パルプ事業の今につながり、そしてそのお客様とのお取引がタイヤ業界へ進出するきっかけになりました。つまり、製紙業界もタイヤ業界も、技術や経験はゼロでありながら、「会社と人の信頼」からスタートしたというわけです。


信頼がチャレンジの場を作ってくれる

新しいことにチャレンジすることは、勇気が要りますし、つい経験がないからと保守的になりがちです。しかし、何事も初めは経験したことなどありません。第一歩を踏み出してから、失敗と反省を繰り返しながら経験を積んでいくものです。
その経験の場をお客様が提供してくださるかどうかは、会社と人の信頼にかかっているのです。初めての仕事を任せた時、もしかしたらうまく出来ないかもしれない。それでもこの会社は最後まで逃げずにやり遂げてくれるだろう。そして経験を積んで、いつか必ず力になってくれるに違いない。お客様にそう思っていただけるかどうかは、ただひとつ「信頼」があるかどうかです。


失望は技術不足ではなく不信感から

信頼はすぐに出来上がるものではありません。過去の仕事、取引、付き合い、言動、それらひとつひとつの積み重ねが大きな信頼に繋がっていきます。
しかし、ちょっとした出来事ひとつで、長年コツコツと積み重ねた信頼が一気に崩れてしまうことがあります。それは技術力不足によるものではなく、会社として人としての不信感に起因しているのです。
技術力不足によって起こったトラブルそのもので信頼を失うことはほぼありません。しかし、その時に生じた問題やトラブルに対して、どのように対処したのかということによって、失望されて信頼を失うか、逆に信頼が高まり絆を強固なものにするかが決まります。
だからこそ「技術より信頼が先」ということを常に意識して、お客様の信頼が得られる言動を心がけ、「失望ゼロ」を実現しましょう。



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