2012年2月13日月曜日

インドネシアの経済成長


当社の海外現地法人のひとつであるインドネシアの客先および現場を訪問しました。インドネシア経済は近年急激に成長しており、先日の日経新聞にも、インドネシア政府が発表した2011年GDPは前年比6.5%増、2012年も6%代の成長を予測しているとありました。この高成長をもたらしているのは、国内消費、企業投資、輸出の3本柱とのこと。ジャカルタ市街の高層マンションに加えて、郊外でも多くの建売住宅地が開拓されており、居住環境が向上していることが分かります。また、現地当社主要客先のひとつであるフランスの飲料メーカーD社は、インドネシア国内向けのミネラルウォーター工場を次々と増設しています。(それに伴い当社の受注高も増加しています)飲料水を購入するという習慣が定着していることなどからも、インドネシア国民の生活が豊かになってきていることを感じます。


一方、継続的なデフレ、円高、国内消費低下などで日本の製造業は非常に苦しんでいます。生産コストの抑制、新たな海外市場の発掘を目的に、製造業の海外進出は加速しており、インドネシアはその労働力の安さ、内需の将来性などからも投資先として高い注目を集めています。年末年始に国内のお客様と話をした際にも、韓国や台湾といったアジア諸国の製品品質は、ほぼ日本に追いついてきており、海外企業や輸入品と競っていくためには、さらなる生産コストの圧縮に迫られている、という厳しい表情が印象的でした。以前からグローバル化とは言われてきましたが、ここへきてその波が加速度的に押し寄せていることは間違いありません。



当社としても、こうした動きに対応すべく戦略を練る必要があります。国内の建設投資は引き続き減少傾向で、競争環境はますます厳しくなっていきます。一方で製造業の海外投資比率は増加し、工場の建設ラッシュが続いています。現在インドネシアでは、日系製造業を中心に工場の新設案件が目白押しで、ゼネコンをはじめとする日系建設会社も対応しきれていないのが現状です。当社現地法人でも、工場の付帯設備から製造プロセスに至るまでの設計施工の案件を数多く受注しており、大手サブコンと肩を並べて大規模なプロジェクトをこなしています。今の日本国内ではとても経験をすることができないような仕事ばかりです。

しかし、こうした大規模投資がいつまでも続くわけではありません。投資が落ち着いてきた時に如何に安定的な事業を継続できるかは、投資が続いている今、どれだけ底力をつけられるかにかかっています。次から次へと降って来る目先の仕事をこなすだけになれば、必ず後々苦しくなることは必至です。継続的なメンテナンスを受注できるような顧客との関係作り、付加価値のある改造が提案できるための技術力などを、今のうちに築いていく必要があります。経済や顧客の動向を見極めながら積極的な展開を図っていきたいと思います。

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