私は評価というものは、単に賞与や昇給を決めるための方程式として位置付けるのではなく、コミュニケーションツールとして機能させる必要があるのではないかと思っています。評価というプロセスを通じて、上司と部下のコミュニケーションの促進を図ったり、育成の機会を創ったり、成長の意欲を引き出すこともできます。そのためには、自分が何で評価されているのか、またどう評価されたのかを明らかにする必要があります。どうしたら高く評価されるかが明らかでなければ、どこに向かって行ったらいいのか分かりません。例えば、右に向かって走ることで高く評価されるとします。しかし、そのことが公表されていなければ、一生懸命左に向かって走ってしまう人も出てきてしまいます。「右に向かって走れば高く評価される」と公表されていれば、誰でも右に走っていきますよね?つまり評価項目が、評価する側とされる側、双方に理解され合意されている必要があるわけです。また、評価の結果を正しくフィードバックすることによって、何故自分の評価が低かったのか、何を努力すれば次回の評価が上がるのかを指導し理解させることができます。自分に不足していることに気づきを与え、成長の意欲を持つことにもつながります。こうした一連の上司と部下(評価者と被評価者)のコミュニケーションを評価プロセスに持たせ、社員の方向性をひとつにしたり、人材育成に活用していくことが、新しい評価制度の重要なポイントです。次回は具体的な評価の方法について説明します。
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