2015年8月6日木曜日

評価をあげるには評判をあげろ(2)

他部門の部長に自分の仕事を見て評価してもらうことはなかなかできないことです。ですから、評判をあげて自分の仕事ぶりを認識してもらうのです。評判については、以前「会社人生は評判で決まる」というブログを書きましたが、その中で評判の良い人、悪い人について以下のように説明しました。

評判の悪い人
  1. 自分の実力を誤認している、ある意味「自意識過剰なナルシスト」
  2. 自分はさておき他人のことをとやかく言う、いわゆる「評論家」
  3. 自分の立場を理解していない、勘違いの大きい「分不相応な人」
評判の良い人

  1. 自分自身をよく分かっており「他者への十分な配慮のできる人」
  2. 「評論家」の逆で、労をいとわない「実行力の人」
  3. 自分の立場や役割を正しく理解し「本質的な役割の果たせる人」
評判というのは、声の大きい誰かひとりの評価でも、ゴシップ的な噂でもありません。上へのゴマスリや意図的なアピールで伝わるものでもありません。自然と多方面から聞こえてくる、その人の仕事に対する取り組みや、小さな努力の積み重ねとその成果といったものが評判です。「他者への配慮」「実行力」「本質的な役割」を意識していれば、評判は自然とあがっていくでしょう。

私も正直皆さんひとりひとりの仕事の内容を理解して評価することはできませんから、この評判をとても大切にしています。上司だけでなく部下や同僚がどのように見ているか、また社内だけでなくお客様や協力会社の方が実際に一緒に仕事をしてどのように感じたか。そういう周りの声をできるだけ幅広く聞きながら、社員ひとりひとりの仕事ぶりを確認するようにしています。部門長を中心に行われる相対評価会議においても、他部門の上司が評価をする際にこの評判というのは少なからず影響するはずです。ですから、自分と上司だけの狭い世界だけで仕事をするのではなく、社内外の周囲の人にきちんと仕事ぶりを評価してもらい、評判があがるような仕事の仕方をしてほしいと思います。そうすれば、自然と納得のいかない評価がなされることは少なくなるでしょう。ちなみに現在の評価制度では、現場レベルでの評価を重視していますので、相対評価の結果に私をはじめとする取締役が口を出すことはほとんどありません。

この評価制度を導入する前は、何故私の評価は○○なのか、という疑問が出ることはなかったと思います。何故なら、自分の評価結果が明かされていないからです。以前の評価プロセスの目的は、査定によって賞与や昇給額を決めることに主眼が置かれていたため、自分に対して何が期待されていて、どのように評価されているのかを知ることがありませんでした。しかし、今の評価プロセスは、以前と同様に賞与や昇給を決めるという側面もありますが、それ以上に社員の育成につなげることを目的としています。今期どのように仕事に取り組むか、どのようなチャレンジをして成長していくかを自分自身で考える。そしてその達成度や仕事ぶりについて評価がされ、その内容をフィードバックをされることで、自分の何が評価につながったのか、逆に何が不足していたのかを知ることができます。これが成長の為の重要なプロセスなのです。ですから、自分の評価結果に納得がいかなければ、しっかりと上司からフィードバックを受けてください。そして、そのフィードバックをしっかりと受け止めて次につなげるように努力してください。また、部門長の人は、必ず評価のフィードバックに時間を割いて部下と向き合ってください。決して、「俺は評価してるんだけど、上が、、、」などの無責任なコメントをしないように。万が一、上位レベルによって評価が変わった時には、必ずそのフィードバックもなされていますから、その内容を確認するようにしてください。

良くない評価をつけることも、つけられることも気持ちのいいことではありません。できれば、全員に良い評価をつけて気持ちよく終わらせたい、評価者は皆そう思っているでしょう。でもそれでは成長はありません。「ギャップ」を認識することで人は成長します。ただし、ギャップ認識をさせるだけでなく、それをうめるための道筋を一緒に考えていくことが必ず必要だと思います。新しい評価制度に慣れるにはまだ時間がかかると思いますが、評価プロセスは人材育成の重要な役割を持っているということを考えながら、評価および評価結果に向き合ってください。

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