施工現場も営業活動も単独で動くことも少なくありません。「現場代理人は社長の代理だ」とか、「現場責任者」といった言葉を聞くと、あたかも自分ひとりで全てのことを解決しなければいけないように聞こえますがそうではありません。現場担当者の責任というのは、自分一人で抱え込むことにあるのではなく、あらゆる手段を使って物事を前に進めたり課題を解決したりすることにあります。その手段のひとつに「上司を使う」ということも含まれます。自分ひとりでは解決できないことを上司に相談することは恥ずかしいことでもなんでもありません。むしろそれによって、リスクが大きくなる前に物事を前に進めることの方が大切ですし、上司を使って解決したことは、自分自身で解決したことと何ら変わりはありません。解決することが全てですから。
お客様との関係構築において重要だと思うのは、担当者どうしの点と点のつながりではなく、会社どうしの面と面で繋がることだと思っています。つまり、担当者は担当者どうし、部長は部長どうし、役員は役員どうしで繋がりをもち、階層別に関係構築を図ることで、揉め事が早期に解消されたり、交渉が前に進んだりと、ビジネスをスムーズに運ぶことができます。また、どこかの繋がりが異動や退職によって切れたとしても、別の階層では繋がりがありますから、結果的に会社間の関係が永く続くことにもなります。階層が上になればなるほど具体的な取引上の会話を頻繁に行うことはありませんが、少ないコミュニケーション機会において両社の重要な戦略や方向性を共有していますから、いざという時に「上の会話」で早期解決を図ることができるのです。だからこそ信念を持った上で交渉にのぞみ、課題が生じた時には安心して上にあげてきてほしいと思います。
仕事ができる人は、上手く上司や役員を使っています。それは、自分が信念を持って仕事をしているからこそ、一個人だけででなく、組織や会社として相手と対峙して、物事を解決したり前に進めたりすることができるからではないでしょうか。そのために使われることは上司としては本望に違いありません。「上司は使う」が鉄則です。
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