先日、男子バドミントンの日本のエースが違法カジノで賭けをしていたことが発覚し、リオデジャネイロオリンピック代表の座を失うことになりました。
巨人の野球賭博問題に続いて、現役のエリートスポーツ選手の不祥事が続き、日本のスポーツ界全体の品格が疑問視されかねないと感じます。
彼は世界ランキング2位ということからも、幼少期から厳しい練習を重ね、心身ともに鍛え上げられてきたトップアスリートであることは間違いないでしょう。
そのトップアスリートが、なぜ違法行為と知りながら賭博に足を踏み入れ、そして最も大切なものを失うことになってしまったのか。
それは、一言でいえば「地位につくことによる勘違い」ではないかと思います。
昨年の大会で優勝して8万ドルの賞金を手にした時には、
「派手な生活がしたい。それに”ガキンチョ”が憧れてバドミントンをがんばるように」
と話をしたそうです。
また、謝罪記者会見で、記者に何故やめられなかったのかと聞かれ、
「スポーツマンとして勝負の世界で生きている以上、ギャンブルというものに興味があり、抜けられない自分がいた」
と答えています。
勘違いはだいぶ以前から始まり、そして事態が発覚した後も未だに続いているということがわかります。
スポーツマンとして成功を続けると、周囲の期待とともに勝つことへのプレッシャーも高まります。
時にそのプレッシャーに押しつぶされそうになることもあるでしょう。
そのプレッシャーと闘いながら、たとえ勝負に負けたとしても、どのように自分と周囲が納得するように勝負を終わらせるか。
これができて初めて真の一流のスポーツ選手といえるのだと思います。
しかし、勝負に勝ち続けてランキングがあがるほど、勘違いのワナにはまってしまう人がいます。
―自分は強い
―勝ち組だ
―勝ち組は何をしても許される
このおごりと勘違いから、プレッシャーからの逃げ道を作り、その逃げ道を正当化することでワナから出られなくなってしまうのです。
このことはビジネスの世界でも同じことがいえます。
一生懸命仕事に打ち込み結果を出すことで、地位と名声、収入、そしてプレッシャーがあがります。
そこで勘違いをするとワナにはまります。さらに、正当化という麻薬が加わると自分のしていることがわからなくなり、深みにはまっていく。
そして、深刻化した事態が明るみに出た結果、社会から抹消される・・・
活躍していた人がこのような結末を迎えることは本当に悲しいものです。
一流の仕事ができるかどうかは、人間性や品格の上に成り立っています。
ですから、どれだけ仕事ができても、どれだけ素晴らしい結果を残していても、人間性が失われては総崩れとなります。
私を含めた役職者、そして仕事で成果をあげている人たちは、
「一流の仕事は人間性という土台に支えられている」ということを決して忘れてはいかないと改めて感じています。
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