心地いい人とツルムことが成長を妨げる
通常、仕事上のやむをえない付き合いを除けば、一緒にいて心地良い人と時間を過ごすことが多いと思います。
たとえばあるテーマに対する賛否、同じ人物に対する印象、事件が起きた際の危機感のレベル、課題に対する解決の方向性などが合致した際に、仲間意識が芽生え心地よさを感じるでしょう。
逆に価値観が異なる人に対しては違和感を感じたり、嫌悪感を抱いたりして、遠ざけてしまうことがあります。これが自分の思考や視野を狭めてしまい、結果的に成長を妨げることになっているのです。
相手の意見を受け止め尊重する
自分と考えが合致するということは、自分の考えが承認されたことになりますから、それ以上深く考えたり、角度を変えて物事を見たりすることがありません。つまり思考がストップします。
しかし、ひとつの意見や考えに対して異なる意見がぶつけられると、それが新たな気づきとなり、自分の考えや発想がさらに展開することになるわけで、即ち思考の継続につながります。
自分と異なる意見を出された時に、即座に「それは違う」と切り捨てるか、「なるほどそういう考え方もあるか」と受け止めることができるか、これが重要なポイントです。
さらに、何故そのような意見に至ったのかについてもう少し突っ込んで話し合うことで、当初の表現の仕方は違っていたものの、実は自分と似た考え方であった部分と、やはり異なる部分が明確に整理されてきます。
このようにお互いの意見を交わすことで、それぞれの考えを尊重しながらディスカッションができるのではないかと思います。
意見の違いを新たな気づきと捉える
日本人は欧米人や中国人と比べてあまり自分の意見を主張しません。自分の意見は腹の中に持った上で、相手と合致するようであれば賛同し、異なれば沈黙を守ることが多いでしょう。
一方欧米人はズケズケと自己主張をしてきますので、日本人からすると高圧的に感じたり、失礼な印象を受けたりすることが少なくありません。
しかし、欧米人は自己主張した後に、あなたはどう考えていますか?と尋ねてきます。つまり相手の意見を尊重し、しっかりと聞く姿勢にはいるわけです。
意見交換やディスカッションはビジネスの場でとても大切なことです。意見を言う方も、聞く方も、相手を尊重するところから始めていかないと、意見がすれ違った時点で終わってしまいます。
意見交換は、あくまで意見を交換するのであって、うわべだけで賛同しあったり、投げつけあったりするものではありません。
お互いの意見を尊重し、考え方の角度を変えていったり、キャッチボールをしたりしながら、理解を深めることで、思考力やコミュニケーション力に幅がうまれてくるのではないかと思います。
そのためには普段から自分とは考え方や視点の違う人、人生のバックグラウンドが異なる人、変わった人と積極的にツルムこと、そしてそこでの「違い」を「新たな気づき」として感じられることが大切なのではないかと思います。
まずは、いつも違和感を抱いている”あの人”と少し話をしてみましょう。