当たり前のことを、当たり前に行うための、「当たり前」とは?
仕事には環境にあまり左右されずに定型的に行う基礎業務と、環境の変化に応じて柔軟にやり方を変える必要がある応用業務があります。職種によって基礎業務と応用業務の割合が異なってきますが、どのような職種にも少なからず基礎業務が存在するはずです。
基礎業務ができてはじめて応用業務ができるようになるわけですが、この基礎業務を確実に遂行するためには、「標準」が必要です。標準とは、「当たり前のことを、当たり前にできるようにするための、当たり前そのもの」です。人によって「当たり前」とは何かが変わってしまうと、業務が人によってばらついてしまい、会社として安定的に業務を遂行することができなくなってしまいます。
標準がない会社にはスーパーマンが必要
標準が存在しないと「しか」が多くなります。「彼にしかできない」「これしかできない」など、仕事が属人化したり、限定的になったりすることで、一部の人に仕事が集中したり、限られた仕事だけを長期的に担当し続けるする人が出てきたりすることになります。
このような会社が成果を出すためには、「彼にしかできない」という「彼」=スーパーマンの存在がとても重要になってきます。
スーパーマンは、
自ら仕事のやり方を考えて実行します
基礎業務を確実に遂行するだけでなく、応用業務もこなします
困難な状況もなんとかしてくれます
能力が低い人の仕事も精一杯カバーします
すると、スーパーマンには常に困難な仕事がまわってくるので、徐々に疲弊してきてしまいます。それでも状況が変わらない場合には、会社を去ることもあるでしょう。すると、スーパーマンに頼っていた会社は、ひとりでもスーパーマンが抜けることで大きく戦力ダウンし、弱体化してしまいます。
「しか」を「でも」に変える
一方、標準が定義されることによって「でも」が増えてきます。「誰でもできる」「新人でもできる」といった具合に、誰にとっても当たり前になることで社員の能力の底上げができ、仕事の割り振りにも幅が出てきます。
基礎業務を誰でもできるようになれば、会社全体の力が上がります。すると、特定の個人がスーパーマンとして会社全体を支えるのではなく、どっしりとした土台ができあがり、スーパーマンはその上で会社をさらに引っ張っていくような活躍の仕方にかわります。
いま、当社に必要なのは、標準を策定することによって「しか」を「でも」に変えて、安定した土台と組織力を上げることにあると思います。
当社の標準にはたくさんのノウハウが詰まっている
そのために当社では、「標準化」というキーワードで様々な取り組みを始めています。
過去の重大なミスや事故の発生原因からつくりあげた「作業標準」は、当社が施工する際に最低限守らなければならない取り決めです。すでにほぼ全ての現場に常備していることと思いますが、この作業標準は社内だけでなく協力会社にも周知して活用を徹底していきます。
当社が元請になった時や、客先に安全基準がない場合に活用する「安全標準」も整備しつつあります。
また、現場における原価管理の手法や、関係者での共有方法についても、施工中会議資料のひとつとして活用が始まっています。
これら当社標準のひとつひとつには、スーパーマンの仕事のやり方や過去の失敗を元にした反省など、当社のこれまでのノウハウがたくさん詰まっています。
このノウハウを社内の標準として定着させることで、会社の足腰となる基礎が強化され、景気や環境が変化しても対応できるだけの安定性と柔軟性を身につけることができるのです。
もはやスーパーマンに頼って前に進む時代は終わりました。社員全員が当たり前を当たり前にこなす力をつけ、組織として強くなっていきましょう。
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