日本の受動喫煙対策は世界最低
先日、ある会社の社長と喫煙について話をすることがありました。
社員の健康を守ることも経営者の大きな責任のひとつ。最近では、労働時間やストレス、ハラスメントなどが健全な労働環境を考える際のキーワードとなっているが、喫煙、特に受動喫煙による健康被害については徐々に世間の意識も高まっており、企業としても労働環境の観点から何らかの方針を持つべき。
といった内容です。
厚生労働省がこの夏に発表した「たばこ白書」では、喫煙と病気の因果関係を4段階で評価しました。
喫煙者本人では、がんだけでなく、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病、歯周病などに確実に関係するとしており、さらに受動喫煙においても、肺がんや脳卒中、心筋梗塞などで確実に関係するとされました。
また、日本の受動喫煙対策は世界最低レベルとされ、「受動喫煙からの保護」「マスメディアキャンペーン」「広告、販売促進活動などの禁止要請」の3項目が最低で、G7(先進主要7カ国)の中で最悪だったとのこと。
国としての対策が世界的に見ても遅れているのは、税収に対する懸念や、政治的な裏事情?があるのではないでしょうか。いずれにせよ、政策だけに頼るのでなく、企業として実施できることは行い、世界レベルに追いつくための貢献が必要だと感じます。
喫煙者は採用しない
実はすでに企業として「喫煙者は採用しない」という方針を掲げている会社もあります。
リゾート再生で有名な星野リゾートや、テレビショッピングのジャパネットグループ、健康をテーマにビジネスをしている、ロート製薬やテルモなども喫煙者は採用しないという方針です。
星野リゾートの採用活動のページには、
「あなたはたばこを吸いますか?
- 大変申し訳ありませんが、星野リゾートグループでは喫煙者は採用いたしておりません。それが企業競争力に直結すると考えているからです。」
と気持ちがいいくらい堂々とうたっています。
ここまで過激ではないにしても、事務所内は完全に分煙、非喫煙者に対して手当てを支給、禁煙に向けた支援を福利厚生として行うなど、禁煙を会社として奨励する取り組みは多くの企業で取り入れられているようです。
まずはマナーから
私は”本日時点では”皆さんにいますぐ禁煙しろとは言いません。しかし、2016年現在の男性喫煙率は29.7%で、50年前の83.7%から54ポイント下がっているということ、受動喫煙による健康被害は医学的にも明白で、受動喫煙に対するネガティブな意識も高まっていることなど、世間の喫煙に対する状況や意識などをよく理解してください。
そのうえで、当社の社員の皆さんには以下の喫煙マナーを徹底するようにお願いします。
①事務所は完全分煙です。喫煙は屋外か、完全に壁で仕切られた部屋限定です。私の知る限り、まだ完全分煙ができていない事務所が1箇所あります。すぐに徹底してください。
②喫煙所から事務所に戻った際には、周囲の非喫煙社員に配慮した一言をお願いします。非喫煙者はタバコの煙の匂いには敏感です。特に集団で喫煙した直後にぞろぞろと会議室に入る人たちがいますが、喫煙後10分はおいてから会議室に戻るようにしましょう。
③喫煙所で打ち合わせをしないでください。もし仕事の話がされた場合には、その内容を「正」とせず、その場に居なかった人と必ず情報共有をするようにしてください。
④お客様との会食においては原則禁煙です。どうしても我慢できない場合は、トイレかのように席を外して喫煙所で吸うようにしてください。お客様が喫煙者で強く勧められた場合には、同席している非喫煙者に配慮の一言を添えた上で最低限の本数を吸うようにしてください。お客様より先に火をつけるなど以ての外です。
⑤社内の飲み会は参加者全員が喫煙者でない限りは原則禁煙席です。③同様、席をはずして所定の喫煙所で吸うようにしてください。禁煙席がない場合やとれない場合には、同席している非喫煙者に配慮の一言を添えた上で最低限の本数を吸うようにしてください。
喫煙マナーで最も大切なことは「配慮の一言」があるかどうかです。自分の嗜好によって、周囲の人の健康に影響を与えたり、不快な思いをさせているわけですから、必ず一言添えることを意識してください。
当社では、まずこのマナーを徹底することからはじめましょう!
0 件のコメント:
コメントを投稿