新年の挨拶まわりをしている時に、ふと思い出したことがあったのでお話したいと思います。
私は立場上、いわゆる「表敬訪問」としてお客様を訪問することがあります。具体的な仕事の内容についての議題があるわけではないけれど、お客様に敬意を表するために訪問するというものです。
ただ、先方もせっかく経営層などの上層部の方に出席いただく貴重な機会ですから、何かしら「表敬」以外のプラスアルファの目的を持ちたいですし、普段の担当者どうしの営業活動ではなしえなかったような次につながるテーマを作り出したいと考えています。
宿題をもらってボールを持ち帰る
顧客訪問時に以前の上司によく聞かれたのが「どんな宿題もらった?」という質問でした。
訪問したという事実で満足してしまいがちだが、それでは意味がない。訪問自体を目的にするのではなく、次に何を起こすかということをイメージして目的をもって訪問しなさい。そうすれば自ずと宿題をもらって帰ることになる。必ず最後は相手にボールを渡すのではなく、ボールを持ち帰ってくることを心がけなさい。ということでした。
ボールを相手に渡してしまう、つまり次のアクションは相手が起こすという状況で訪問を終わらせてしまえば、相手からの連絡を待つことしかできません。しかし、ボールを持ち帰る、次のアクションの主導権を握って終われば、こちらから連絡をとる理由ができて、次回の訪問につなげることができるわけです。
「何かあったらお願いします」は禁句
まだ親密な関係になりきれていないお客様を訪問する際にありがちなのが、ひととおりこちらのサービス内容を紹介して、最後に「何かあったらお願いします。」と締めくくるというパターン。これはあり得ません。ただでさえ、先方はまだ当社のことを信用していないわけですから、そう簡単に仕事を依頼してくるはずがありません。
それにもかかわらず、ボールを先方に渡して帰ってしまっては、次のアクションがとれず一向に前に進めることができません。
何よりお客様に対して「何か依頼ごとがあったら連絡してください。それまで待ってます。」というのは失礼です。何か(提案や紹介すること)あったら連絡するのはこちらであってお客様ではありません。
初期訪問で大切なことは、こちらが話すのは3割程度として、お客様のことを知るために色々な話をしてもらうことにあります。
お客様のビジネス環境はどうなっているのか?
何か困っていることはないか?
当社が役に立てそうなことはないか?
競合となりそうな会社はいるか?
予算はありそうか?
これらをしっかりと抑えて、「私をお客様の状況を理解しましたよ」という印象をうえつけることが初期訪問の大きな目的です。
また、お客様のことが理解できれば、次回までに何をすればよいかも見えてくるので、次の宿題が決まります。そして最後に、「それでは次回は***をお持ちするようにします」と締めくくれば、こちらに主導権がきて終わります。
「何かあったらお願いします」は禁句、ボールは必ず持ち帰りましょう!
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