2011年8月30日火曜日

復興支援

N製紙石巻工場を訪問しました。当社では本工場をはじめ数多くの復興工事に携わっています。石巻には3ヶ月前にも来ましたが、その時に比べて、工場周辺の瓦礫、溜まり水、腐敗臭、ハエの数…など様々な面で環境が改善されていることが分かります。

何より復興が進んでいると感じさせたのは、工場のボイラーの煙突から煙が出ていたことです! 眠っていた工場が息を吹き返し、復活の狼煙をあげているようです。工場長をはじめお客様の顔つきも明るくなったように感じました。

昨日も相馬のお客様にお会いして来ましたが、以前瓦礫の山を前に先が見えず、重い表情をされていたお客様から、明るく感謝の気持ちを伝えらると、募金などの間接的なかたちではなく、会社の事業として、直接復興に携わり、ご支援できることを非常に嬉しく思います。

復興工事に携わっている皆さん、厳しい環境の中で大変な現場だと思いますが、いまの仕事に誇りを持って引き続き頑張ってください!皆さんの頑張りに感謝しています。

2011年8月24日水曜日

当たり前のことが実は強み

N製紙ケミカル江津事業所を訪問しました。本事業所では、現在溶解パルプ製造設備の新設工事を行っています。このパルプマシンは、できあがったパルプをロール状に巻き取るめずらしい設備になります。(社員の方は8月号の社内報に記事がありますので、こちらも参照してください。)

S工務課長にご挨拶したところ、「この事業所では、従来1億近い工事でも地元企業だけで工事を行ってきており、今回旭さんと仕事をすることで、こんな工事のやり方があるんだなと社員にも勉強になりましたし、いい刺激にもなりました。このような大規模な工事を、ここまで工期どおり・無事故無災害で施工できていることにもとても関心しています。」とありがたいお言葉をいただきました。今回、N製紙ケミカルからの受注も初めて、もちろん本事業所での工事も初めてですから、この段階でお客様から信頼をいただけたことはとても重要な意味があると思います。

さて、S工務課長のおっしゃっていた、『こんな工事のやり方があるんだ』とはどういう意味なんでしょう。今まで発注してきた地元企業とはどのような点で優れていると感じていただいたのでしょう。今回の工事で特別なことをしたわけではありません。いつも通りの設計、施工、安全、、、当たり前のすべきことを当たり前にこなしてきただけです。しかし、お客様は確実にその違いに気付いている。自分たちには当たり前でも、お客様から見ると他社より優れていると感じること。これこそ当社の強みであり、価値ですから、私たち自身がきちんと把握することがとても重要です。

是非考えてみてください。

2011年8月23日火曜日

海外で築いた人間関係

N板紙大竹工場 Y工場長にお会いしました。Y工場長は、6月まで先日ブログに掲載したインドネシアのパルプ工場で工場長をされていた方です。現地には2年半程度赴任していたそうです。ちょうど私も出張に行ったばかりでしたので、現地までの足の悪さ、2~3日ならともかく何年も現地食堂で食事をとり続けることの辛さ、休日の楽しみは車で3時間の町までラーメンとマッサージを受けること、様々な状況で金を要求される常識では理解しがたいインドネシアの慣習・・・インドネシアの話で盛り上がることができました。

Y工場長は前回の白液タンクの工事、今回の工事から、当社の力を非常に評価してくださり、当社が入らなければ今回の工事も終わらなかったとコメントをいただきました。国内でも過去に接点が何度かあったとは思いますが、インドネシアでの当社との接点で一気に深い信頼関係が構築できたと思います。海外での付き合いというものは、日本での付き合いよりも短期のうちに深い関係ができるものです。不慣れな海外においては、”日本人である”ということだけで一気に距離が縮まるのでしょう。

海外で築いたこうした人間関係を帰国後も大切に継続し、日本におけるビジネスに活かしていかなければなりません。それは当社がグローバルにビジネス展開をしている最大の利点です。国境の壁を超え、コミュニケーションを密にとり、お客様の引き継ぎをしていくことで日本での新規取引も増えてくるはずです。海外も含めてひとつの”あさひ”であることを忘れずに、うまく連携していきましょう。

2011年8月21日日曜日

製紙業界の動き

O製紙苫小牧工場、N製紙北海道工場 両工場長と面会してきました。N製紙といえば、今月3日グループ用紙事業の復興計画の中で、抄紙機8台と塗工機4台の停機が発表になりました。中でも富士地区での停機が多い理由のひとつは、取水、排水のコストが非常に高く、採算が合わないということがあるようです。製紙業界において数多くのマシン建設を手掛けてきた当社としては非常に残念なニュースであると同時に、主要顧客の生産設備の縮小が与える当社へのインパクトも少なくありません。

両工場長ともに、「今の日本国内における紙の需要、特に用紙や新聞の需要減を止めることはできない。この市場の状況をしっかりと見極めて、需要の変化に迅速に対応していかなければならない。」「当工場が、他工場とどのように差別化して特徴を出していくかを考えたい。」と話されました。

当社としても、製紙業界および各社、各工場の動きをしっかりと見極め、この変化にどのようについていくかをしっかりと検討する必要があります。今後も、工場やマシンの縮小、需要の変化に応じた改造、海外投資や提携といった様々な動きが短期間のうちに計画されていくでしょう。当社の製紙業界における今までの経験は大きな強みですが、この動きに乗り遅れれば強みを活かすことはできません。過去に捉われず、迅速に、柔軟に対応していきましょう。

2011年8月17日水曜日

家族の支え

猛暑続きのお盆休みも終わり、多くの社員が今日から仕事再開です。お盆休み返上で、休みなく現場で汗を流してくれた皆さん、ご苦労様、ありがとうございます。

今年は輪番のせいか、あまり休みが集中しなかったように思います。私は特にどこへ行く訳でもなく、家族とゆっくり過ごさせていただきました。ゆっくりとはいっても、うちには2歳の子供がいます。友人家族と水族館に、近くの市民プールにと子供中心にあっという間の夏休みでした。こんなに子供と時間を過ごしたのも、本当に久しぶり。成長を実感して嬉しい反面、いつも使わない体力を使って3日目にはぐったり。毎日朝から晩まで子供に付き合っている妻を改めて尊敬します…

当社の仕事柄、長期出張や休日工事が多く、なかなか家族との時間がとれない社員も少なくありません。(中には毎晩飲み歩いて帰らない人もいるかも!?)ただ、家族の存在、支えがあるからこそ、仕事に注力できていることも事実だと思います。なかなか直接伝えることもないでしょうから私から。「ご主人、お父さん(もちろん奥様、お母さんも)は、毎日一生懸命働いてくれてます。家族の皆さんのご支援、ご理解に感謝します!そして、これからどうぞもよろしくお願いします!」

2011年8月8日月曜日

異国の地でのビッグプロジェクト



インドネシア、スマトラ島のパルプ工場の現場を視察してきました。成田からジャカルタまで7時間、ジャカルタからスマトラ島パレンバンまで飛行機で50分、そこから車で4時間,南に160kmのところにあります。2日がかりでパレンバンまで着いたと思ったら、そこからの現地ドライバーの運転がとにかくアグレッシブ!携帯でメールを見たりすれば1分で酔い、うとうとしようものなら窓に頭を打ち付け叩き起こされ、とにかく前を見ながら踏ん張って耐えること4時間、森林の向こうに巨大な工場が見えてきます。

行くだけでも大変なこの工場は、工場から100km内にある何千ヘクタールものアカシアマンギウムの森林を伐採して、日に1000tを超えるパルプを製造して世界中に輸出する巨大な工場です。今回は、伐採した材木の皮をむく機械の据え付けを中心とした工事を、計画から含め約10カ月かけて行っています。何しろこの立地ですから、材料や機材を含めた物資が予定通り入りません。それに加えて、現地インドネシア人作業員との言語の壁、赤道直下の熱帯気候、、、様々な困難を乗り越え、ここまで本当によくやってくれました。

やはり、日本からプロジェクトとして派遣されたメンバー、インドネシア駐在社員、そしてお客様のチームワークが素晴らしかったのだろうなと思います。私の滞在は1日でしたが、お客様からもとても感謝されましたし、何よりその結束力は、ともに厳しい環境を乗り越えてきたチームだからこそ生まれたものだと感じました。この経験は仕事だけでなく、今後の人生においてとても貴重なものになったのではないでしょうか。

すでに帰国したメンバー、現地で引き続きプロジェクトを引っ張っているメンバー、途中短期で応援に行ってくれたメンバー、みんなにここまでの成果を感謝するとともに、最後まで完遂し凱旋帰国してほしいと思います。

2011年8月4日木曜日

お客様の期待を読む

当社の大口取引先のひとつである半導体メーカーN社を訪問してきました。リーマンショックに続く東日本大震災の影響で、設備投資を控える企業が多い中、継続的に大規模な投資を行い、LEDのシェア世界No.1を維持する徳島の優良企業です。

大規模な取引をいただけることも勿論ですが、何よりありがたいのは、お客様が当社に対する期待を示し、技術力の向上を促していただけることです。「旭さんがこういう施工ノウハウを身につけてくれたら、今後お願いする仕事が増えますよ」とお客様の今後の設備投資の方向性と、当社の現状の力を照らし合わせた上で、私たちをうまく導いてくれるのです。もちろんその方がお客様にとってもメリットがあるわけですが、成長の方向性をはっきりと示していただけることは大変助かります。

当社では今年度から、「技術力によって他社と差別化を図る」ということを事業方針のひとつに掲げています。誰でもできる仕事ではなく、より付加価値の高い仕事をすることによって価格競争を回避し、採算を確保することが狙いです。しかし技術力と一言でいっても、どのような技術を身につけたら、どれだけの付加価値を提供できるのか、その方向性を定めることは非常に困難です。それをお客様から明確に示していただけるのですからこれほどありがたいことはありません。

「何をしたらお客様に価値を提供できるのか」企業は常にこのことを考え、追及していく必要があります。「お客様にとっての価値」が利益の源泉だからです。しかし、多くのお客様はこのことをはっきりと提示してくれません。そればかりか、取引先の力量をお客様の視点と判断で線引きしてしまう恐れもあります。簡単に言えば、「この会社はここまでしかできない会社」と勝手に決めつけてしまうのです。ですから、私たちは常にお客様が何を求め、どこに期待があるのかを普段のコミュニケーションの中から読み取り、その期待にこたえ続ける必要があるのです。「何かあったらお願いします」ではなく、「こんなことができるのですがお役に立ちますか?」とお客様にどんどん提示していきましょう。