当社の大口取引先のひとつである半導体メーカーN社を訪問してきました。リーマンショックに続く東日本大震災の影響で、設備投資を控える企業が多い中、継続的に大規模な投資を行い、LEDのシェア世界No.1を維持する徳島の優良企業です。
大規模な取引をいただけることも勿論ですが、何よりありがたいのは、お客様が当社に対する期待を示し、技術力の向上を促していただけることです。「旭さんがこういう施工ノウハウを身につけてくれたら、今後お願いする仕事が増えますよ」とお客様の今後の設備投資の方向性と、当社の現状の力を照らし合わせた上で、私たちをうまく導いてくれるのです。もちろんその方がお客様にとってもメリットがあるわけですが、成長の方向性をはっきりと示していただけることは大変助かります。
当社では今年度から、「技術力によって他社と差別化を図る」ということを事業方針のひとつに掲げています。誰でもできる仕事ではなく、より付加価値の高い仕事をすることによって価格競争を回避し、採算を確保することが狙いです。しかし技術力と一言でいっても、どのような技術を身につけたら、どれだけの付加価値を提供できるのか、その方向性を定めることは非常に困難です。それをお客様から明確に示していただけるのですからこれほどありがたいことはありません。
「何をしたらお客様に価値を提供できるのか」企業は常にこのことを考え、追及していく必要があります。「お客様にとっての価値」が利益の源泉だからです。しかし、多くのお客様はこのことをはっきりと提示してくれません。そればかりか、取引先の力量をお客様の視点と判断で線引きしてしまう恐れもあります。簡単に言えば、「この会社はここまでしかできない会社」と勝手に決めつけてしまうのです。ですから、私たちは常にお客様が何を求め、どこに期待があるのかを普段のコミュニケーションの中から読み取り、その期待にこたえ続ける必要があるのです。「何かあったらお願いします」ではなく、「こんなことができるのですがお役に立ちますか?」とお客様にどんどん提示していきましょう。