先週の全社ミーティングでも話しましたが、昨年度は目標値をほぼ100%達成することができました。(まだ決算ができていませんので”ほぼ”とさせていただきます) 相変わらずの厳しいビジネス環境ではありますが、2年連続増収増益を実現できたことは素晴らしい成果です。売上高を大きく伸ばすことはできなかったものの、採算重視という命題を掲げ、営業/工事の双方が工事内容や原価を確認しながら進めてきたことで、目標どおり採算性を大きく伸ばすことができました。これも、皆さんの努力によって実力が発揮された結果だと思います。本当に有難うございます。
さて、新年度がスタートして1ヶ月が経ちました。今年度のテーマは「選択と集中」です。これは今年度に限らず、今後仕事をしていく上で是非頭に入れておいていただきたい考え方でもあります。考え方はいたってシンプルです。重要なこと、やるべきこと、優先すべきことを選択し、その内容に集中的に取組んで結果につなげるというものです。一見当たり前のことのようですが、現実にはなかなかできていないのではないでしょうか。時間管理のしかたを、「重要」であるかどうかと、「緊急」であるかどうかのふたつの軸でわけると4つの領域ができます。
第1領域:重要かつ緊急
・締め切りのある仕事
・クレーム処理
・突発的問題
第2領域:重要だが緊急ではない
・人間関係構築
・準備や計画
・勉強/自己啓発
・品質改善
第3領域:重要ではないが緊急
・優先度の低い顧客対応
・多くの電話/急な来客
・雑務
第4領域:重要でも緊急でもない
・単なる報告会議
・だらだら電話
・待ち時間
・暇つぶし
皆さんは、どの領域に最も多く時間を割いていますか? もちろん最優先は第1領域だと思います。それでは、次に多く時間を割いているのはどの領域でしょう?第4領域という方は少ない(いない)と思いますので、第2領域か第3領域でしょう。「重要」であることを優先するか「緊急」であることを優先するか、ここが非常に重要なポイントです。第2領域の仕事は「いつかやらなきゃいけないんだけれど・・・ 今すぐでなくてもいいか・・・」と考えられ、結局いつまでも着手されないということが多いのではないでしょうか。つまり、緊急度の高い仕事を優先してしまうがゆえに、今すぐ着手する必要のない重要度の高い仕事が後回しになってしまっているのです。
ここでよく考えていただきたいのは、第1領域の仕事の中身です。もちろん前向きで建設的な仕事も含まれますが、実はクレーム処理やトラブル対応など、できれば時間を割きたくない事後対応のような仕事が多くあります。こうした仕事は、第2領域に注力することで結果的に縮小することができるのです。クレームは、人間関係の悪さ、品質の悪さなどから生じることが大半です。ですから日ごろから人間関係構築や、品質向上に注力していれば、クレームの数を減らすことができます。トラブルは事前の計画や準備を綿密に行うことで減らすことができます。工事でも「段取り八部」という言葉があるように、事前の段取りをどこまで行うかで工事の良し悪しは決まってくるものです。つまり第2領域に注力することで、徐々に第1領域の後ろ向きな仕事が減り、効率的に時間を使うことができるようになるわけです。
「重要」な第2領域に注力できるか、それとも「緊急」な第3領域の仕事に追われてしまうかは、「目的」を明確に持って仕事ができているかどうかに左右されます。目的や目標を明確に持たず、受身で仕事をこなしている人は、緊急度の高い仕事を優先してしまい、結果的に”いつも忙しい”わりには”成果が出ない”ことになります。つまり他の人の優先順位に振り回されて仕事をしているのです。しかし、目的や目標を明確に持っていれば、その目的を果たすために、その目標を達成するために必要な仕事であるかどうかを判断し、時には重要ではない仕事を捨てる(しない)という局面も出てくるため、必然的に第2領域に注力し効率的に時間を活用できるのです。
当社では、社員それぞれに目的意識をもってもらうために、半期ごとに目標設定をしてもらっています。自分は何のために仕事をするのかを、会社目標、部門目標から掘り下げて考え、自分自身で設定するのです。この作業こそが目的を明確にし、重要なことが何であるかを選択するための準備です。日々の仕事で忙しい中で、あえて時間を割いて目標を考えたり、上司と面談したりするのは、まさに第2領域の時間だと考えてください。人は誰でも24時間365日しか時間がありません。この限られた時間をいかに有効に使い、結果に結びつけられるかどうかは、目的意識をはっきりと持ち、重要なことを優先できているか次第だということです。
ちなみに、この考え方は以前にも紹介した、スティーブン・R・コビー著「7つの習慣」にありますので、興味のある方は読んでみてください。