2011年12月25日日曜日

人事制度改定①

来年4月から人事制度を改定します。すでに各営業所をまわって説明会を実施してきましたが、本ブログでも何回かにわたってその趣旨および内容を説明したいと思います。

初回は人事制度改定の趣旨と基本的なコンセプトについて説明します。そもそも人事制度とは、社員の採用、異動、評価、処遇(給与・賞与)、育成など、入社してから退職するまでの「人と組織」に関する様々な事柄を制度として定めるもので、会社の経営戦略、理念、文化などが反映されたものになっています。また、社員のモチベーションやスキルの向上につながる労働環境づくりも意識されなければなりません。しかし、社員の労働環境、生活に直結しているため、一度その枠組みを作るとなかなか大きな変更には踏み切れず、市場や経営環境と人事制度にずれが生じたまま運用している会社も少なくありません。その結果として、モチベーションの低下を招き、本来持っている能力が引き出されなかったり、スキルそのものの向上の妨げになったりしてしまうことがあります。当社でも長年「年功制」という考え方の人事制度を運用してきましたが、昨今の労働市場、経営戦略などとのズレが生じてきたため、今回制度改定を行うことにしました。

「年功制」は年長者、勤続年数の長い社員に高い処遇を与えるもので、戦後多くの日本企業が導入してきた制度です。年功制は、経験を積めばそれだけ能力が上がり、会社への貢献度が高まるということ、また、一度入社したら定年まで勤めあげるという終身雇用が前提となっています。しかし、ITをはじめとする様々なツールが導入されたり、仕事の内容に知的労働の要素が多く含まれるようになってからは、一部の「職人技的仕事」を除いて、必ずしも年長者ほど能力が高く、会社への貢献度が高いとは言い切れなくなってきました。また、長引く不況の影響で会社が定年までの雇用を約束することも困難になり、また同時に、社員側もより良い労働環境を求めて転職をすることも一般的になってきており、終身雇用という前提も崩れつつあります。そのため、多くの企業で人事制度の「年功要素」を薄める傾向があり、当社でも「年齢」によって処遇を決めるのではなく、本来の「スキルや能力、会社への貢献度」に応じた処遇をするという考え方で人事制度を改定することにしました。

「年功制」には長く勤めてもらうことにモチベーションを持たせる意図がありますが、新人事制度では「スキルや能力を上げること」にモチベーションを持ってもらうことを意図して設計してあります。例え年齢が若くても、本人の努力によってスキルアップをして、会社へ高い貢献をしてくれる社員には、高く処遇します。逆に、年長者であっても、向上心を失ったり、持っている能力を充分に発揮せずにいれば、処遇が低く抑えられることになります。これが新人事制度の基本的なコンセプトです。しかし、年齢という尺度は非常に明確で分りやすいのですが、スキルや貢献度とは抽象的で、また人によって解釈が異なる為、「人事制度の基準」を明確にする必要があります。これが「等級制度」です。次回は等級制度について説明します。

2011年12月10日土曜日

新しいビジネスの芽

徳島のN社現場を視察してきました。以前「お客様の期待を読む」で触れた、お客様から依頼を受けて取り組み始めた特殊ガス配管の工事です。窒素や酸素といった一般的なガスに加え、ヘリウムや塩素、アルゴン、シアン化***、、、空気に触れると発火するような気体、微量でも漏れれば即座に死に至る気体など、素人には分からない元素記号で表わされる危険なガスを取り扱うため、そのガスの特性を熟知した上で最適な配管材質や施工法を選択する必要があります。

工程で使用する量が微量であるため、配管口径が1cm程度と細いものが多く、自動溶接機を使って溶接したり、特殊な機器を使用して曲げ加工を施したりします。そうした細い配管を狭いキャビネット内に収めるように施工したり、クリーンルーム内の製造機器に接続したりと、従来の当社の工事内容とは見た目も施工法も大きく異なる内容でした。

新しくプロジェクトチームを立ち上げ、監督としての知識を習得するとともに、現地の職人の教育、ガスメーカーや専門材料メーカーとのネットワークづくりを経て、半年でここまでの体制を作り上げたことは、素晴らしい進歩だと思います。何事も新しいことにチャレンジすることは大変なことです。やったことのないこと、知らないことの連続ですし、多くのリスクも存在します。しかし、困難をひとつずつつぶしていきながら、お客様に評価いただける力量を身につけられれば、大きな達成感が得られるはずです。

当社は「技術力による差別化」を戦略のひとつの柱にしています。そのためには、新しい技術や知識を単に身につけるだけでなく、ビジネス環境や施工体制の構築も必要となり、まさに、ビジネスをひとつ立ち上げることになります。こうしたビジネスをいくつ立ち上げていけるかで、今後当社が成長できるかどうかが決まります。今回、ひとつ新たなビジネスに芽が出てきたことは大変うれしいことですし(軌道になるには、まだまだこれからですが、、、)、こうした取り組みをスタートできるよう、背中をおしてくださったN社にも大変感謝をしています。

2011年11月28日月曜日

製紙とハイテクの融合プロジェクト

NKK社の米子工場新設の現場を訪問しました。NKKは、コンデンサ用のセパレータで世界トップシェアを持つ特殊紙メーカーです。作っている製品からすると、製紙業界というよりは、むしろハイテク業界に位置づけられるのかもしれません。製紙業界においては、大規模改造はあっても、国内での新マシンの建設ですらあまり聞かれなくなりましたが、NKKは新しい工場の建設に乗り出しているわけですから、雇用創出の面からも大きな動きになります。また、製造業全体でも生産現場が海外にシフトする傾向にある中で、国内で工場建設プロジェクトに携われるということは、お客様、当社双方のプロジェクトメンバーにとって、非常に貴重な経験となるでしょう。

プロジェクトの現状としては、土木・建築についてはだいぶ進んできており、当社メンバーの乗り込みは先週からということでした。いよいよこれから寒くなる時期を迎えるとともに、設備工事も本格化していくことでしょう。驚いたのは、作りだす製品の大きさ(厚みは15~130マイクロメートル)のイメージとは異なり、全長約200mとかなり大規模な工場であることです。また、今回建設するラインの他に、第2、第3のラインが建設できる敷地面積は十分確保されていますから、今後の需要の拡大とともに増産体制をとることが可能です。こうした動きからも、ハイテク産業の成長の一翼を担っていると感じます。

製紙業界は装置産業であり、一度建設した生産ラインをいかに効率的に動かして、コストを下げながら大量に生産することが求められます。一方でハイテク産業においては、技術の進歩と需要の変化のスピードにいかに早く対応できるか、その柔軟性と先進性が求められます。NKKの工場は、この両方の要素が求められる非常に面白い工場であるのではないかと感じました。プロジェクトメンバーの皆さんには、本プロジェクトに携わることが、製造業全体においても如何に貴重な経験であるかということを感じていただきたいですし、また過去の製紙業界における豊富な経験を活かしつつ、同時にハイテク業界にある新鮮な技術要素を吸収することにも意識を置きながらプロジェクトに臨んでほしいと思います。


2011年11月9日水曜日

パラダイムシフト②

今回もパラダイムシフトについてもう少し考えてみます。「パラダイムシフト」をウィキペディアで調べると、「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること」とあります。この説明では、まだピンときませんよね?もう少ししっかりと理解してもらうために地図にたとえてみます。(参考:「7つの習慣」)


初めて訪れる場所を歩く時には必ず地図を見るでしょう。地図に記載されている場所と実際に見えている景色を照らし合わせながら歩きます。しかし、その地図が間違った、別の場所の地図だったらどうでしょう?地図に記載されている場所が見当たりません。その場所を探して2倍のスピードで一生懸命歩きます。しかし、その結果は2倍のスピードで間違った場所にたどり着くだけです。今まで歩いてきた道を振り返り、地図の見かたや方角を確認したりと色々考えますが目的地には着きません。何故なら地図が間違っているからです。


人はそれぞれ頭の中に地図(パラダイム)を持っていて、あらゆる経験をその地図をもとに解釈しています。その地図が正確であるかどうかを疑うこともなく、物事は「こうだ」「こうあるべきだ」と思い込んでいるのです。


今、起きていることは、現実が今までの地図とがらっと変わっているのに、以前と同じ地図を持ちながら歩いているのと同じです。つまり、今までと同じ地図を正確であると信じて歩いても、実際の景色や道路は以前と異なるため、目的地にたどり着けず迷ってしまいます。この時、自分の歩き方や方角を反省しても意味がありません。そもそも頼りにしている地図そのものが間違っていることに目を向けなければ、根本的な解決にはならないということです。この時、地図が間違っているのではないか?ということに気づくことがパラダイムシフトです。


重要なことは、お客様、競合相手、協業パートナーといった市場環境をよく見つめ、それに合わせて、頭の中の地図を柔軟に修正していくことです。従来の地図にとらわれていては、大きな進歩はありません。パラダイムシフトで新しい発想を持って、厳しい建設業界を勝ち抜いていきましょう!

パラダイムシフト①

本日の日経新聞に「建設業昨年の従業員数過去最低に」という記事がありました。景気低迷や公共事業の減少を背景に、前年実績を3年連続で下回り、過去最低になったそうです。建設業界における国内市場の減少、およびそれに伴う建設会社と従業員数の減少については、ここ数年に始まったことではなく、バブル崩壊以降一貫して減少傾向にあることは、社内でも研修会などで何度か説明していますから、聞いたことがある人も多いでしょう。最近では、毎日1件は日本企業の海外進出や海外設備投資の話題が新聞に載っていることからも、製造業の海外シフトが加速していることが分かります。私たちの市場環境は大きく変わりつつあるのです。

市場が変わるということは、競争のルールが変わることです。今までの常識や経験が通用しないこととも多々ありますから、私たちも新しいルールを早く習得して、闘い方や守り方などの戦略を見直す必要があります。しかしこれが難しい。。。時に「今までの常識や経験」が邪魔をして、柔軟な発想を妨げることがあるからです。ここで必要なのがパラダイムシフトです。

以前紹介した「7つの習慣」では、「7つの習慣」を理解するためには、まずパラダイムをシフト(転換)させる方法を知らなければならないとし、パラダイムシフトについて以下のように説明しています。

『人は、物事をあるがままに、つまり客観的に見ていると思い込んでいるのが常である。しかし、私たちは世界をあるがままに見ているのではなく、私たちのあるがままに世界を見ているのだ。物事を説明しようとすると、それは結果的に自分自身、自分の知覚、自分のパラダイムを説明しているにすぎない。そして自分の意見に相手が賛成しないとなれば、すぐにその人が間違っていると思ってしまう。』


自分のパラダイムを前提に意見交換を行っても、お互いになかなか理解し合うことはできません。しかしそれは、それぞれが経験という「レンズ」を通して、同じ事実について異なる見方をしているだけであって、どちらが合っていて、どちらが間違っているということではないということです。『立場はその人の立っている場所によって異なる』というだけなのです。自分のレンズを取り外すことができた時、頭の中に光が差し込むように、あ~、なるほどという感覚を持つことができるはずです。これが、パラダイムシフトです。Hello, Idea であり、アハ体験です。非常に大事な考え方ですから、このパラダイムシフトについてはまた次回、例を用いながら説明します。



2011年10月30日日曜日

宴会部長

当社の社員は(社長を筆頭に)本当に酒飲みが多いんです。地方勤務の社員は車通勤が多いのであまり頻繁には飲みに行くことはできないものの、本社勤務者ともなると部活動のように繰り出す人も。社員だけでなく、お客様や協力会社にも酒好きが多く、先日お客様とゴルフをご一緒したのですが、前日は夜中まで飲み、朝のスタート前に一杯、途中の茶店で一杯、昼食で一杯、終わって一杯(厳密には一杯ではないのですが)ゴルフをするより飲みに来ているのかと思うくらいです。まあ、コミュニケーションの促進には大きな効果がありますから、体調を崩さない範囲で楽しめればと思います。

自分自身が飲んで楽しむことはみんな大好きなのですが、宴会を企画して場を盛り上げ、参加者を楽しませるような、宴会部長となると、あまり見当たらないように思います。

宴会部長には、まず店選びから人数確認など事前のきめ細やかな調整が必要です。出欠の返事もろくにしないわがままな参加者と店との調整はなかなか苦労するものです。次に、当日の雰囲気づくり。空気を読みながら場を盛り上げつつ、円滑な進行をしていく必要があります。また、アルコールが入ってたちが悪くなってきた参加者全員をひとつにまとめ、場の一体感を醸成することも必要です。これに失敗すると雰囲気を壊し一気に場をしらけさせかねません。さらに、会費の徴収と支払い。事前に集めた会費の範囲内で、参加者の無茶な要求を満たしつつ、店への支払いを確実に行います。時には料金交渉も必要です。最後に、参加者がきちんと帰宅できる状況にあるかの確認や、二次会の設定などのアフターフォローも怠るわけにはいきません。

このように、宴会部長には、企画調整力、空気を読む力、リーダーシップ、予算管理力、交渉力、フォローアップなどの様々なビジネススキルが要求されます。中には、いわゆる飲み会幹事的な要素も含まれ、宴会部長と役割分担することも考えられますが、いずれにせよスキルと気持ちがなければ遂行できません。私はこの宴会部長の役目が果たせる人は、仕事でも十分にマネジメントの任務が果たせると思っています。逆に、飲み会幹事もろくにできない人は、仕事のとりまとめも、うまくいかないでしょう。飲み会を参加者として純粋に楽しむのももちろん結構ですが、機会があれば積極的に飲み会を企画して、宴会部長としてビジネススキルを磨いてはどうでしょう?

2011年10月25日火曜日

パンツを脱ぐ勇気


あるセミナーで、韓国サムスン電子の副会長の講演を聞く機会がありました。サムスン電子といえば、薄型テレビで世界シェア1位、ギャラクシーで知られるスマートフォンでもAndroid端末で世界シェア1位、そして半導体製品を世界の様々なメーカーに供給するという、今最もアツイ韓国の電子機器メーカーです。彼は講演の中で、「今、日本人が最も日本に対する自信を失っている」と話していました。また、同セミナーでアメリカの投資家ウィルバー・ロス氏が、「逆境に対して闘う武士道を思い出して自信を取り戻してほしい」というコメントもありました。確かに、リーマンショック以降日本を含めた世界経済は低迷し、首相は頻繁に入れ替わり政治は不安定、東日本大震災で打撃を受け、、、という厳しい環境の連続に慢性的な疲れを感じているのかもしれません。以前、青少年よ自信を持て!で引用した日本人の自己肯定率の低さにも、日本の力に対する自信喪失も現れています。これが、草食系などと言われる所以なのでしょうか。若者を中心に”できる”とか”やってやる”というスピリット(精神)とアツイ気持ちに欠けている人が増えているのです。


私はまだ社歴が浅いので、自身の感覚で以前と比較することはできませんが、過去の色々な話を聞いていると、社内でも以前よりアツさを失っている人が少なからずいるように思います。私自身もたまに、冷めた雰囲気やクールな対応に直面して驚くことがあります。自分自身を型にはめ、閉じこもって、そこから出ようとしない人もいます。職場は人生の中で非常に多くの時間を過ごす場です。せっかくそれだけ多くの時間を過ごすのですから、カラを破って情熱的に仕事をしてはどうでしょう?




最近、そのタイトルに惹かれて「パンツを脱ぐ勇気」(児玉教仁著)という本を読みました。本の解説には著者のアメリカMBA留学体験記とありますが、そのような単純な話ではありません。この本は、三菱商事の宴会部長が、アメリカのハーバードMBAに留学して、だんだんとパンツを脱いでいく話です。パンツを脱ぐとは、「心にまとっているもの、自分を無意識に防御しているものを、全て脱いでとっぱらってしまうということ」です。小説ではなく自伝なだけに、途中にリアルな親子関係も書かれており、結構涙もろい私は飛行機の中でホロリ(というよりボロボロ)と涙を流してしまいました。私は是非この本を、アツイ気持ちを忘れかけている全ての人に読んでもらいたいと思います。型にはまることなく、自分の思いを前面に出して、アツイ気持ちで仕事をしてほしいのです。パンツを脱ぐことは、恥ずかしいことでもなんでもありません。むしろ、思い切って脱いでしまえば気持ちのいいものです。(段々変な方向へいきそうなのでこの辺にしておきます。)その気持ちと行動が、必ず自信につながり、その自信が自分の持っている力を最大限発揮するエネルギー源(原動力)となるはずです。さあ、勇気を出してパンツを脱ぎましょう!

2011年10月19日水曜日

ONE


下半期のキックオフミーティングを実施して、上半期の当社の実績と、利益に貢献してくれた工事の紹介、下半期の目標と目標達成のための指針を共有しました。当社は200人という人数でありながら、社員は全国各地に散らばってプロジェクトを抱えているため、なかなか同時に集まることができません。しかし、現在のようなビジネスの重要な局面において、最も重要なことは、会社が目指していることを全社員で共有し、会社と社員の思いをひとつにすることです。本来であれば全社員を集めて直接話をしたいところですが、今回はWeb会議システムを利用してミーティングを開催することにしました。

9月末で65期上半期が終わりました。まずは上半期の社員の皆さんの頑張りに感謝します。提案コンペで勝ち取った給排水衛生設備工事、過酷な環境でのインドネシアパルプ設備改修工事、Nケミカルからの初受注工事、N製紙石巻工場における震災復興工事、今後の環境事業の柱となるうる浄水場やごみ焼却場工事、、、いくつかは私のブログでも紹介しましたが、上半期だけでも当社が持っている力を存分に発揮し、大きな成果につなげることができた工事が数多くあります。これらの実績を他人のもしくは他部門の工事とするのではなく、自社の成果を自分の成果として捉えて、あさひはこれだけのことができるんだと自信につなげてください。

下半期は上半期以上にスピードと効率が求められます。おかげさまで、製造業の設備投資も戻りつつあり、数多くの引き合いをいただける反面、力が分散してしまう恐れもあります。そこで、下半期は業務の重要度をよく吟味した上で「選択と集中」を図っていきたいと思います。限られた人員と時間の中で最大の成果を出すためには、重要な案件に対して集中的にリソースを割き、成果を確実なものにしていく必要があります。

半年という限られた期間内で、当社が持っている力を最大限に発揮するためには、前述したように全社の方向性を統一し、目標に向かって力を結集する必要があります。キーワードは「ONE」です。思いをひとつに頑張りましょう!

2011年10月8日土曜日

永年勤続表彰

本日は当社の創立記念日です。毎年その前日に、勤続25年/15年の社員を対象とした永年勤続表彰を行っています。今年の表彰対象者は、勤続25年が3名、15年が5名でした。久々の同期会にもなるわけで、集まった顔ぶれを見ると、その代ごとの特徴が出ていてなかなか面白いものです。私は今年、当社入社3年目、社会人としてもまだ15年目です。そのような私が、大先輩に僭越ながら表彰パーティーでお伝えしたお祝いの言葉を改めてここでお伝えしたいと思います。

勤続25年/15年の皆さんおめでとうございます。また、当社において長期に渡り素晴らしい歴史を刻んできてくれた皆さんに改めて感謝します。以前のブログでも触れましたが、皆さんを含めた当社の社員は、ひとつの船のクルーです。この船の航海の目的はふたつあります。ひとつは乗客の皆さんに満足してもらうこと。もうひとつは、クルー全員が日々やりがいに満ちた航海を送ることです。クルーが船を降りる場所やタイミングはひとりひとり異なりますが、船を降りるときに素晴らしい航海だったと思ってもらえることが私の願いです。そのためには、どのように船で時を過ごすかを日々意識する必要があると思います。

勤続25年の皆さんは、年代的に脂が乗り切った方々です。ここまで、積んできた様々な経験をもとに、甲板や見張り台から船全体や行先を眺め、他のクルーを引っ張っていってください。皆さんのリーダーシップが、この船のスピードを大きく左右するはずです。勤続15年の皆さんは、仕事に自信が持て、パフォーマンスが大きく変化する時だと思います。今までの自分のバックグラウンドをもとに、新しい事にどんどんチャレンジしてください。チャレンジ精神さえ持ち続けていれば、自分が成長する環境は会社が用意します。ちょうど私とも同じ年代ですから、一緒にたくさんのことにチャレンジして、エキサイティングで楽しい航海にしましょう。

2011年10月3日月曜日

全て自分事

今日は隔月で発行している社内報「あさひ」の発行日です。2年前から、発行頻度を年に2〜3度から隔月に、紙に印刷して配布していたものをwebで、総務部門が制作していた記事を若手中心の5〜6名の編集チームで制作するようにしました。記事の内容も大幅に増やして発行するようにしました。

私が2年前に社内報に力を入れたいと思ったのは、社員ひとりひとりが余りにも当社自体を知らなすぎると感じたからです。自分が担当している業務については深く理解し、責任をもって遂行していますが、他部門がどのような仕事をし、他営業所でどのような工事が行われ、社内では何が起きていて、会社はこれからどう進んでいくのか…それは「他人事」という気持ちが少なくないように思います。事務部門所属の社員の中には、勤続10年超のベテランですら、当社の工事現場を一度も見たことがないという人がいたのには驚きました。これでは、家族も含め社外の方から貴方の会社は何をしている会社なのか尋ねられても、「工事会社」程度しか答えられないでしょう。

私は社員の皆さんに、もっとこの会社に興味を持って欲しいと思っています。工事の技術的な詳細を理解する必要はありません。どこで、誰が、どんな工事をしていて、何が大変で、何がやりがいなのか。それを知るだけで十分です。もっと言えば、「今月はあの人の誕生日なんだ」「彼の趣味は釣りなんだ」そんなことだけでもいいのです。また逆に、取材をうけたらめんどくさがったり、恥ずかしがったりせずに、積極的な情報発信をしてください。自分がどのような仕事を担当し、何を感じ、何を考えているのか、どんな人間であるのか、社内報という媒体を通じて発信してください。こうした情報のやりとりだけで、社員同士のコミュニケーション、チームワークは大きく変わってくるものです。

私たちは同じ船に乗っているクルー(乗組員)です。決して乗客ではありません。ただ乗っていればいずれ目的地に着く、そんな気持ちは捨ててください。ただひたすら自分のオールの先だけを見ながら漕ぎ続けることも止めてください。たまには、甲板に出て船全体や進路を眺めたり、見張りや舵取りをしているクルーの仕事にも興味を持ってください。そうすることで、自分の仕事が船全体の動きの中でどういう役割を果たしているのか分かります。クルーは皆仲間、船内で起きていることは全て「自分事」です。全てが自分の事として相互理解を深め、行き先を確認し、声を掛け合って仕事をすれば、一人でも多くのお客様に船に乗っていただき、目的地までお連れすることができるのです。

2011年9月27日火曜日

上司を巻き込んで物事を動かす

私たちの仕事は、現場にたった一人で入って、お客様と話をし、職人をまとめ、プロジェクトを進めていかなければならないことも少なくありません。長期間に渡る現場ともなると、段々孤独になって、一人で仕事をしているような錯覚に陥ることもあるでしょう。でも、皆さん一人ひとりの仕事を支え、助け、守ってくれる仲間や上司、会社があるんだということを決して忘れないでください。自分だけでは解決できない困難に当たった時は、ひとりで抱え込まずに、うまく上司を巻き込むようにしましょう。

例えばお客様側の不手際で、このままではプロジェクトがうまく進まないことが想定されたていたとします。担当者には、何度もそのことを伝えていて、相手もそれを承知しているのですが、実際には動いてもらえません。必要なお願いはしました。それでも動いてもらえないのであれば、うまくいかなくても仕方ない。担当者どうしであれば、確かにこれが限界です。でも、上司に相談することで、回避策が見つかるかもしれません。お客様の上司の方にお願いして、解決してもらうこともできます。担当者どうしの話し合いだけでは進まなかったことが、上司を巻き込むことで解決の糸口が見つかります。

社内でも同じです。自分の意見が同僚や直属の上司に理解されなかった時、意見が通らなかったと諦めてしまいますか?簡単に諦められる様な薄い意見だったらそれでいいですが、それが会社に大きなインパクトをもたらす内容で、自分の意見に信念をもっているのであれば、直属の上司の上の人に伝えるべきでしょう。それでもダメならその上に、ダメなら社長に、と意見をあげていくべきなのです。それは、誰それが自分の意見を聞いてくれなかったと、上層部に言いつけることとは訳が違います。正しい意見をあげて人や会社を動かすための正当な手順なのです。

自分の意見が一度通らなかったからと簡単に諦めてしまう人が多い様に思います。上司や他部門の人を巻き込んだり、組織階層を使ったりして、物事を動かすことは、重要なビジネススキルです。自分の意見には信念を持ってやり遂げる気持ちと、この巻き込みスキルを身につければ、大抵の物事は動かせるようになります。仕事はひとりで抱え込まずに、色々な人を巻き込みましょう!

2011年9月21日水曜日

”言葉”の持つチカラ

物事がうまくいかない時、上司に理不尽なことをいわれた時、お客様に怒鳴られた時、自分の努力が水の泡と化した時。こんな時は、お酒でも飲みながら愚痴を言って発散したいこともあるでしょう。もちろん自分の中に抱え込んでストレスをため込んでしまうよりは、思い切り吐き出して、また翌日から心機一転頑張ることは必要です。でも、心機一転できずに、家で、昼食で、飲んで、喫煙所で、、、誰かといるときに、気付くとネガティブな言葉を出しているということはありませんか?また、知らず知らずのうちに、言葉が汚くなってしまうことはありませんか?

自分の口から出る言葉は、知らず知らずのうちに自分の潜在意識の中に植え付けられ、はじめはあまり意識せずに発していた言葉に徐々に自信を持ち始め、最後には確信に変わり、やがて現実となります。自分自身に暗示をかけたり、洗脳したりしているようなものなのです。自己暗示だけならまだしも、一緒にいる人も巻き込んで大きな影響を及ぼします。一度、潜在意識に植え付けられたものは、そう簡単にコントロールすることができません。何故なら、無意識のうちに行われていることなので、自分自身ではどうすることもできないのです。

汚い言葉も同じです。たとえお客様の前では笑顔で対応していても、裏で汚い言葉を発していれば、そのことがなんとなく相手にも伝わり、信頼関係に傷がつくことにもなりかねません。仮に相手が汚い言葉を投げかけてきたとしても、「あー、この人はマイナスな要素が潜在意識に植え付けられて可哀想だなぁ」とでも思っておけばいいのです。くそっ、と思って裏で悪口を言えば、結局同じ可哀想な結果をもたらします。

逆に成功者というのは、常にポジティブな言葉を発しています。未来の成功をイメージして、そのイメージを口に出すことで、自信につなげているのです。仮に途中で失敗や困難があったとしても、その先に成功があると信じて気にすることはありません。むしろその困難を乗り越えることを楽しんでいるかのようです。

ポジティブな言葉を使って周りに好循環をもたらしましょう。潜在意識はコントロールできませんが、自分が発する言葉はコントロール可能です。そして、自分で意識するとともに、もし周りにコントロールできずに悪循環をもたらしている人がいたら、言葉には良くも悪くも大きなチカラがあることを教えてあげてください。それでもダメなら、つるむのをやめましょう。マイナスオーラが染ります(笑)

2011年9月15日木曜日

青少年よ自信を持て!

日本青少年研究所の「高校生の心と体の健康に関する調査」に日本の将来が心配になる結果がありました。アメリカ、中国、韓国に比べて自己肯定率が非常に低いのです。以下が「自己評価」という項目の結果の抜粋です。

米国と中国の高校生は自己肯定感(自尊感情)が強く、日本高校生の自己評価が最も低い(以下の数値は「全くそうだ」の比率)。


「私は価値のある人間だと思う」 : 日本7.5%、 米国57.2%、 中国42.2%、 韓国20.2%。
「自分を肯定的に評価するほう」 : 日本6.2%、 米国41.2%、 中国38.0%、 韓国18.9%。
「私は自分に満足している」:日本3.9%、米国41.6%、中国21.9%、韓国14.9%。
「自分が優秀だと思う」:日本4.3%、米国58.3%、中国25.7%、韓国10.3%。


根拠のないただの虚勢や、大きな勘違いでは困りますが、自分の長所(もちろん短所も)や価値をしっかりと認識して、この分野については誰にも負けないという自信を持つことは重要なことだと思います。その特定分野において自信を持つことで、そのことを核にして様々な面で成長していけるからです。誰にでも必ずひとつは得意なことやいいところはあるものです。ところが、自分自身でそれに気づいていないことも多いのです。それに加えて、日本人特有の謙虚な姿勢が上記の調査結果となっているのでしょう。自信が持てないということは、それだけ成長のスピードを遅らせてしまいます。昨今、韓国や中国に経済成長の面で脅かされているのは、若者が自信を持てないからかもしれません。

どうしても自分の長所が分からない人は、人の意見を聞いてみるといいでしょう。自分の限られた視点とは異なる視点から見ると、意外な自分を発見できるかもしれません。自社の強みも同様です。以前の記事にも書きましたが、自分では当たり前と思っていることでも、他者から見ると素晴らしい長所であることもあります。お客様の意見に耳を傾け、自社の強みがどこにあるのかをしっかりと認識しましょう。そして、その強みに対して確固たる自信を持ってお客様に対峙し、より一層チカラをつけていきましょう。

2011年9月12日月曜日

『他人の利益を図らずして自らの繁栄はない』

YKKの常務の方の講演を聴く機会がありました。その中で、YKK精神として掲げている『善の巡環---他人の利益を図らずして自らの繁栄はない』という創業社長の言葉を紹介されました。この理念は当社でもひとりひとりに深く心に刻んで欲しいと思い、以下にその内容の説明を引用します。

「企業は社会の重要な構成員であり、共存してこそ存続でき、その利点を分かち合うことにより社会からその存在価値が認められるものです。善の巡環とは、事業活動の中で発明や創意工夫をこらし、常に新しい価値を創造することによって、事業の発展を図り、それがお得意様、お取引先の繁栄につながり社会貢献できるという考え方です。」

私は日頃から、お客様にとってどのような価値が提供できるかを考えよう、お客様にとって価値ある会社になろうと話しています。お客様にとっての価値は、当然お客様によって異なりますし、時代によって変化していきます。数年前に価値であったことが、今では当たり前になっていることはよくあることです。ですから、創意工夫によって常に新しい価値を創造し続けなければ、お客様に見放されるか、値下げを追及されるかのどちらかです。(値下要求は、それだけの価値がないとみなされているにすぎません)

経済活動は、win-win(双方にメリットがある)でなければ成り立ちません。いくら自社に利益をもたらす事業であっても、お客様にメリットがなければ継続することは有り得ませんし、またその逆もしかりです。お客様にメリットがあり、当社にも利益になること。それを常に考えながらお客様と接しましょう。その結果、お客様が繁栄し、社会貢献にもつながり、当社も繁栄できるのです。

2011年9月7日水曜日

もはやただの配管屋ではない

N社藤沢工場を訪問しました。N社とはインドネシアでは古くから取引があり、建設工事を請負ったこともあるお客様ですが、日本での取引実績はありません。今回は以前インドネシアに赴任され、すでに帰任されている方にインドネシア事務所からアポイントをとってもらい、お会いすることになりました。

N社の国内事業所には、すでに競合のO社が常駐しており、単に工事の引き合いをお願いしても難しいことは十分承知していました。以前、本社調達部門を訪問した際にも、配管工事業者はO社だけで充分とあっさり玉砕したこともあったそうです。

そこで今回は、事業の概要だけでなく、昨今のソリューション提案の取り組みについて説明し、単に依頼された工事を請負うだけでなく、工事に至るまでの調査から提案作りまで幅広いお手伝いできること、お客様とは異なる目線から省エネや改善提案ができる可能性があることなどを説明したところ、次回詳しく聞かせてくださいということになりました。

後から伺ったのですが、お客様は、配管工事の話であればアポイントの段階で断ろうと思ったそうです。でも、今日の説明を聞いていると、常駐のO社とは異なるかたちで協力いただくことは十分考えられると思うのでよかったですと言っていただけました。また、最後に現在抱えている課題についてもお話いただき、いいかたちで次回につなげることができました。

まだ初回訪問の段階で、成果は出ていませんが、今回の営業活動には大きな意味があると思っています。それは、単なる配管工事会社であれば、次はなかったということです。N社にはすでにO社が常駐しているわけですから、O社と差別化できる何かが提供できない限り、当社に依頼する価値はないからです。当社は単なる配管工事会社ではなく、設備のソリューションカンパニーです。お客様にソリューションという価値を提供できることが、当社にとっても大きな価値であることを再認識しました。来週は同社福島工場へ行きますが、本日同様O社とは異なる価値を理解してもらえるよう頑張りたいと思います。

2011年9月5日月曜日

7つの習慣

今日は私が私生活においても仕事においてもバイブルとして活用している本を紹介します。この7つの習慣は1990年に出版され、特にビジネス書としてベストセラーとなった本で、簡単に言えば「成功」する人が共通して身につけている考え方や行動について記されています。それらひとつひとつの項目自体は当たり前のことなのですが、それでも習慣として身につけられているかと言われれば、なかなか難しいというものです。それだけに、私も一度読んで終わりとせずに、考えが行き詰まったとき、物事がうまくいかないとき、心が弱くなったとき、(読む本がなくなったとき)、、、などにはいつも取り出して読み返しています。

私はこのような、自分の中で生じたマイナスの思考や状況を、プラスに変えてくれる”何か”を持つことは非常に重要なことだと思います。それは、このような本でも、人づきあいでも、宗教でも、何でも構いません。単にストレスから解放されるということではなく、マイナスをプラスに転じさせるエネルギーを与えてくれるものでなければなりません。その意味では、単なる趣味等では弱いかもしれません。

社内でも何人かには勧めたことがありますが、もし現在この”何か”を持っていないのであれば、是非この「7つの習慣」を読んでみてください。ただ、奥が深く簡単な内容ではありませんので、覚悟して、じっくりと読み進める必要があります。そして事あるごとに聖書のように読み返し理解を深める必要があります。

今後このブログの中でも、度々「7つの習慣」から引用して紹介したいと思います。

2011年8月30日火曜日

復興支援

N製紙石巻工場を訪問しました。当社では本工場をはじめ数多くの復興工事に携わっています。石巻には3ヶ月前にも来ましたが、その時に比べて、工場周辺の瓦礫、溜まり水、腐敗臭、ハエの数…など様々な面で環境が改善されていることが分かります。

何より復興が進んでいると感じさせたのは、工場のボイラーの煙突から煙が出ていたことです! 眠っていた工場が息を吹き返し、復活の狼煙をあげているようです。工場長をはじめお客様の顔つきも明るくなったように感じました。

昨日も相馬のお客様にお会いして来ましたが、以前瓦礫の山を前に先が見えず、重い表情をされていたお客様から、明るく感謝の気持ちを伝えらると、募金などの間接的なかたちではなく、会社の事業として、直接復興に携わり、ご支援できることを非常に嬉しく思います。

復興工事に携わっている皆さん、厳しい環境の中で大変な現場だと思いますが、いまの仕事に誇りを持って引き続き頑張ってください!皆さんの頑張りに感謝しています。

2011年8月24日水曜日

当たり前のことが実は強み

N製紙ケミカル江津事業所を訪問しました。本事業所では、現在溶解パルプ製造設備の新設工事を行っています。このパルプマシンは、できあがったパルプをロール状に巻き取るめずらしい設備になります。(社員の方は8月号の社内報に記事がありますので、こちらも参照してください。)

S工務課長にご挨拶したところ、「この事業所では、従来1億近い工事でも地元企業だけで工事を行ってきており、今回旭さんと仕事をすることで、こんな工事のやり方があるんだなと社員にも勉強になりましたし、いい刺激にもなりました。このような大規模な工事を、ここまで工期どおり・無事故無災害で施工できていることにもとても関心しています。」とありがたいお言葉をいただきました。今回、N製紙ケミカルからの受注も初めて、もちろん本事業所での工事も初めてですから、この段階でお客様から信頼をいただけたことはとても重要な意味があると思います。

さて、S工務課長のおっしゃっていた、『こんな工事のやり方があるんだ』とはどういう意味なんでしょう。今まで発注してきた地元企業とはどのような点で優れていると感じていただいたのでしょう。今回の工事で特別なことをしたわけではありません。いつも通りの設計、施工、安全、、、当たり前のすべきことを当たり前にこなしてきただけです。しかし、お客様は確実にその違いに気付いている。自分たちには当たり前でも、お客様から見ると他社より優れていると感じること。これこそ当社の強みであり、価値ですから、私たち自身がきちんと把握することがとても重要です。

是非考えてみてください。

2011年8月23日火曜日

海外で築いた人間関係

N板紙大竹工場 Y工場長にお会いしました。Y工場長は、6月まで先日ブログに掲載したインドネシアのパルプ工場で工場長をされていた方です。現地には2年半程度赴任していたそうです。ちょうど私も出張に行ったばかりでしたので、現地までの足の悪さ、2~3日ならともかく何年も現地食堂で食事をとり続けることの辛さ、休日の楽しみは車で3時間の町までラーメンとマッサージを受けること、様々な状況で金を要求される常識では理解しがたいインドネシアの慣習・・・インドネシアの話で盛り上がることができました。

Y工場長は前回の白液タンクの工事、今回の工事から、当社の力を非常に評価してくださり、当社が入らなければ今回の工事も終わらなかったとコメントをいただきました。国内でも過去に接点が何度かあったとは思いますが、インドネシアでの当社との接点で一気に深い信頼関係が構築できたと思います。海外での付き合いというものは、日本での付き合いよりも短期のうちに深い関係ができるものです。不慣れな海外においては、”日本人である”ということだけで一気に距離が縮まるのでしょう。

海外で築いたこうした人間関係を帰国後も大切に継続し、日本におけるビジネスに活かしていかなければなりません。それは当社がグローバルにビジネス展開をしている最大の利点です。国境の壁を超え、コミュニケーションを密にとり、お客様の引き継ぎをしていくことで日本での新規取引も増えてくるはずです。海外も含めてひとつの”あさひ”であることを忘れずに、うまく連携していきましょう。

2011年8月21日日曜日

製紙業界の動き

O製紙苫小牧工場、N製紙北海道工場 両工場長と面会してきました。N製紙といえば、今月3日グループ用紙事業の復興計画の中で、抄紙機8台と塗工機4台の停機が発表になりました。中でも富士地区での停機が多い理由のひとつは、取水、排水のコストが非常に高く、採算が合わないということがあるようです。製紙業界において数多くのマシン建設を手掛けてきた当社としては非常に残念なニュースであると同時に、主要顧客の生産設備の縮小が与える当社へのインパクトも少なくありません。

両工場長ともに、「今の日本国内における紙の需要、特に用紙や新聞の需要減を止めることはできない。この市場の状況をしっかりと見極めて、需要の変化に迅速に対応していかなければならない。」「当工場が、他工場とどのように差別化して特徴を出していくかを考えたい。」と話されました。

当社としても、製紙業界および各社、各工場の動きをしっかりと見極め、この変化にどのようについていくかをしっかりと検討する必要があります。今後も、工場やマシンの縮小、需要の変化に応じた改造、海外投資や提携といった様々な動きが短期間のうちに計画されていくでしょう。当社の製紙業界における今までの経験は大きな強みですが、この動きに乗り遅れれば強みを活かすことはできません。過去に捉われず、迅速に、柔軟に対応していきましょう。

2011年8月17日水曜日

家族の支え

猛暑続きのお盆休みも終わり、多くの社員が今日から仕事再開です。お盆休み返上で、休みなく現場で汗を流してくれた皆さん、ご苦労様、ありがとうございます。

今年は輪番のせいか、あまり休みが集中しなかったように思います。私は特にどこへ行く訳でもなく、家族とゆっくり過ごさせていただきました。ゆっくりとはいっても、うちには2歳の子供がいます。友人家族と水族館に、近くの市民プールにと子供中心にあっという間の夏休みでした。こんなに子供と時間を過ごしたのも、本当に久しぶり。成長を実感して嬉しい反面、いつも使わない体力を使って3日目にはぐったり。毎日朝から晩まで子供に付き合っている妻を改めて尊敬します…

当社の仕事柄、長期出張や休日工事が多く、なかなか家族との時間がとれない社員も少なくありません。(中には毎晩飲み歩いて帰らない人もいるかも!?)ただ、家族の存在、支えがあるからこそ、仕事に注力できていることも事実だと思います。なかなか直接伝えることもないでしょうから私から。「ご主人、お父さん(もちろん奥様、お母さんも)は、毎日一生懸命働いてくれてます。家族の皆さんのご支援、ご理解に感謝します!そして、これからどうぞもよろしくお願いします!」

2011年8月8日月曜日

異国の地でのビッグプロジェクト



インドネシア、スマトラ島のパルプ工場の現場を視察してきました。成田からジャカルタまで7時間、ジャカルタからスマトラ島パレンバンまで飛行機で50分、そこから車で4時間,南に160kmのところにあります。2日がかりでパレンバンまで着いたと思ったら、そこからの現地ドライバーの運転がとにかくアグレッシブ!携帯でメールを見たりすれば1分で酔い、うとうとしようものなら窓に頭を打ち付け叩き起こされ、とにかく前を見ながら踏ん張って耐えること4時間、森林の向こうに巨大な工場が見えてきます。

行くだけでも大変なこの工場は、工場から100km内にある何千ヘクタールものアカシアマンギウムの森林を伐採して、日に1000tを超えるパルプを製造して世界中に輸出する巨大な工場です。今回は、伐採した材木の皮をむく機械の据え付けを中心とした工事を、計画から含め約10カ月かけて行っています。何しろこの立地ですから、材料や機材を含めた物資が予定通り入りません。それに加えて、現地インドネシア人作業員との言語の壁、赤道直下の熱帯気候、、、様々な困難を乗り越え、ここまで本当によくやってくれました。

やはり、日本からプロジェクトとして派遣されたメンバー、インドネシア駐在社員、そしてお客様のチームワークが素晴らしかったのだろうなと思います。私の滞在は1日でしたが、お客様からもとても感謝されましたし、何よりその結束力は、ともに厳しい環境を乗り越えてきたチームだからこそ生まれたものだと感じました。この経験は仕事だけでなく、今後の人生においてとても貴重なものになったのではないでしょうか。

すでに帰国したメンバー、現地で引き続きプロジェクトを引っ張っているメンバー、途中短期で応援に行ってくれたメンバー、みんなにここまでの成果を感謝するとともに、最後まで完遂し凱旋帰国してほしいと思います。

2011年8月4日木曜日

お客様の期待を読む

当社の大口取引先のひとつである半導体メーカーN社を訪問してきました。リーマンショックに続く東日本大震災の影響で、設備投資を控える企業が多い中、継続的に大規模な投資を行い、LEDのシェア世界No.1を維持する徳島の優良企業です。

大規模な取引をいただけることも勿論ですが、何よりありがたいのは、お客様が当社に対する期待を示し、技術力の向上を促していただけることです。「旭さんがこういう施工ノウハウを身につけてくれたら、今後お願いする仕事が増えますよ」とお客様の今後の設備投資の方向性と、当社の現状の力を照らし合わせた上で、私たちをうまく導いてくれるのです。もちろんその方がお客様にとってもメリットがあるわけですが、成長の方向性をはっきりと示していただけることは大変助かります。

当社では今年度から、「技術力によって他社と差別化を図る」ということを事業方針のひとつに掲げています。誰でもできる仕事ではなく、より付加価値の高い仕事をすることによって価格競争を回避し、採算を確保することが狙いです。しかし技術力と一言でいっても、どのような技術を身につけたら、どれだけの付加価値を提供できるのか、その方向性を定めることは非常に困難です。それをお客様から明確に示していただけるのですからこれほどありがたいことはありません。

「何をしたらお客様に価値を提供できるのか」企業は常にこのことを考え、追及していく必要があります。「お客様にとっての価値」が利益の源泉だからです。しかし、多くのお客様はこのことをはっきりと提示してくれません。そればかりか、取引先の力量をお客様の視点と判断で線引きしてしまう恐れもあります。簡単に言えば、「この会社はここまでしかできない会社」と勝手に決めつけてしまうのです。ですから、私たちは常にお客様が何を求め、どこに期待があるのかを普段のコミュニケーションの中から読み取り、その期待にこたえ続ける必要があるのです。「何かあったらお願いします」ではなく、「こんなことができるのですがお役に立ちますか?」とお客様にどんどん提示していきましょう。

2011年7月28日木曜日

役職名と敬称

私は正直、社内外で役職で呼ばれることがあまり好きではありません。会話でもメールでも"周平さん"と呼んでもらう方が頻繁に変わる役職名で呼ばれるよりずっと親近感がわきます。

以前、私が担当したチームの人にはこのことは伝えたのですが、そうでない人からは役職名で呼ばれたり、社内にもかかわらず"吉田副社長様"とか、"吉田様"と書かれたメールを受けとることもあります。敬意を表していただいているのかもしれませんが、逆に距離を感じますし、役職名+様 というのは、二重敬語になりますからマナーとしてもおかしいですよね。また、今でも"吉田部長"と呼ばれることもあり、『あ〜、部長から昇進させてもらえてないんだな』と感じることがあります(笑)。役職を間違って呼ぶくらいなら、さん付けで呼んでほしいものです。

そもそも役職というのは、役割と責任に対してつけられているもので、偉さを表すものではありません。敬意は役職者に対してだけ表すものではありませんから、そういう意味でも誰にでもさん付けをして、みんなに敬意を表してはどうでしょう?

社内での呼び方もありますが、たまに社外の方に対して、当社の○○部長が・・・と話したりしているのも気になります。役職名そのものが敬意を持ちますから、社外の人に対しては、苗字を呼び捨てにするか、部長の○○が と呼ぶのがマナーです。社内の役職者よりも、社外に対するビジネスマナーの方に気を遣いましょう。

2011年7月26日火曜日

女性のチカラ

女子サッカーに続いて、宮里藍が米ツアーで優勝し、世界ランク6位に浮上しました。優勝インタビューでは、流暢な英語で、『日本がとても厳しい状況にあるだけに優勝して元気付けられてよかった』とコメント。このタイミングで結果を残すことができる、日本人女性の底力のようなものを見せられた気がします。

一方、とあるメディアのスポーツ記事ランキング上位には、「巨人の内海、肩打撲で登録抹消」「北島、まさかの完敗」「石川は49位」・・・石川遼ですらポジティブに受け取っていいのか分からない内容。なんとも寂しい状況です。

女性の社会における活躍は今に始まった事ではありませんが、一見男臭い職場イメージの建設現場でも女性の姿を見る機会が増えてきました。力仕事はともかく、女性ならではの視点やきめ細かさが活きる仕事は、事務作業以外にも多々あるように思います。

当社では、今年と来年それぞれ1名の新卒女性を技術者として採用・内定した他、従来事務職だった女性に設計や販促などの業務を担ってもらったりと、積極的に活躍の場を提供しています。また、現在産休中の社員もいますが、過去にも結婚・出産を経て復帰される方も多く、希望すれば長く勤められる環境であるといえます。

これからは、ダイバーシティ(多様性)を重視する時代。個々のキャリア志向に合わせた仕事の場の提供が必要だと思います。是非この場を活かしてチカラを存分に発揮して、様々な付加価値を生み出してほしいと思います。

2011年7月22日金曜日

昔話はほどほどに未来を語ろう

最近お客様と話していて感じるのは、昔話の比率が増えたこと。確かに、あの時は大変だったな、でも楽しかったな、と苦労をともにした仲間と過去を懐かしむことは楽しいですよね。私も久しぶりに会う仲間と話すのは、もっぱら過去の苦労話か、その時の上司の悪口です。でも、お客様、特に役員クラスの方から話されるのが昔話ばかり。これからのことはといえば、このような政治ではどうなるか全く分からない…これでは会社の将来が少し不安になります。

私は今のような混沌とした時代だからこそ、将来のビジョンをしっかりと持たなければ、変化の波に押し流されてしまうと思います。そのうえで、様々な変化に応じて具体的な施策を変えていけばいいのではないでしょうか。

目的地をしっかりと見据え、波や風をよけたり、うまく利用したりしながら少しずつ前へ進んでいくのです。

今こそ過去を懐かしんでばかりいずに未来を語りましょう!

2011年7月19日火曜日

なでしこ勝った〜

日本女子サッカー優勝 つきなみですが、スポーツというのは、勇気と感動を与えてくれますよね。政治的かけひきもなく、ただひたすらゴールを目指してチーム一丸となって突っ走る姿が本当に気持ちいい。今の政治よりずっと力になるし、気持ちをひとつにしてくれます。多分、自分達しか今の日本を元気にできないという強い使命感を、彼女たち自身持っていたのではないでしょうか。

決勝まで進んだことだけでも快挙、ここで負けたとしても…正直そう思っていました。でも彼女たちは、決勝進出で満足することなく試合に臨み、先制されても追いつき、再リードされてもまだいけると追いつく。決して甘んじることも、諦めることもしない不屈の精神を持たなければ、頂点には立てないのでしょう。一瞬でも、決勝進出で十分、優勝までは…と思ったことを申し訳なく思いますし、この精神と組織力は見習いたいと思います。

2011年7月15日金曜日

”目標”と”今”のギャップを知る

6月末に開業した中国新幹線が、すでに3回のトラブルで緊急停止をしているようです。
先進国に追いつこう、追い抜こうという意気込みだけが空回りして、全く現実が見えていない気がします。

具体的な目標設定をすることは重要です。目標もなく日々を過ごしたり、目標が漠然としたイメージでしか捉えられていなければ、最終ゴールが曖昧になり成長はできない、もしくは大変非効率となるでしょう。その点で中国は「真似大国」ですから、具体的な目標設定をしていることは素晴らしいと思います。何を真似しているのか分かる=具体的な目標がある と考えられるからです。

しかし、次にしなければいけないのは、今のレベルと目標とのギャップを正しく認識することです。ギャップを知るということは、スタート地点とゴール地点の距離を知ることですから、このギャップが分からなければ、目標達成のための手段や戦略、所要時間等全てを見誤ってしまい、途中で迷ったり、怪我をしたりとなかなか到達することができません。いくら強い気持ちで臨んだとしても、途中で心が折れてしまうでしょう。ギャップの認識とそのギャップをうめるための計画づくりは、目標設定と同じだけ重要だということです。中国はこの部分ができていないのでしょうね。

当社では管理職全員に、具体的なゴール設定と達成のための計画を半期ごとに提出し、期末に自己評価をしてもらうようにしました。「目標設定→ギャップ認識→計画→行動→反省→次の目標設定」のサイクルが自然にまわせるようになるための練習です。これができれば、中国にように途中で迷走したり、怪我をしたりすることなく、ゴールに向かって力強く進んでいけるでしょう。

2011年7月12日火曜日

あさひ愛

本日”あさひ愛”ブログをオープンしました。

2001年原辰則が巨人の監督に就任した時のキャッチフレーズ”ジャイアンツ愛”を覚えていますか?この言葉については様々な解釈があるでしょうし、アンチジャイアンツの方で興味のない方もいるかもしれません。私はこの言葉を、「伝統あるジャイアンツという球団でプレーをすることに対する自信と誇り、そしてチームに対する”愛”を持つことで、選手全員がひとつになり、最高のパフォーマンスが発揮できるようになる」というように解釈しています。

私は今までも担当する事業や製品に対する”○○愛”を唱えてきました。この”○○愛”が自身のビジネス活動の源であり、チームがひとつにまとまる原動力であったと思います。

旭シンクロテックは今年度で65年目を迎えます。ここまで事業が継続できたのは、今まで社員が培ってきた経験と技術、それを認めてくださるお客様、共に歩んできた協力会社の皆様、そして社員の精神的な支えとなってくれた家族があったからだと思います。この伝統に自信と誇りを持ち、”あさひ愛”によって社員が一丸となって成長を目指していくことが、新たなお客様との信頼関係の構築、さらなる事業の継続と発展につながると信じています。

このブログを通じて、旭シンクロテックの社員とその家族、お客様、協力会社の皆さん、私と個人的につながりのある方々.....みなさんに”あさひ愛”をもってもらえるきっかけになればと思います。